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事業承継税制 申請7倍超に
実質負担ゼロ 中小企業の利用進む
後継者不足対策で公明推進
中小企業向け事業承継税制の申請件数が7倍超に――。2018年度税制改正で法人向け事業承継税制を抜本的に拡充した結果、これまで年間400件程度だった申請件数が、約2900件(18年度)となり、大幅に伸びている。
事業承継税制は、後継者不足に悩む中小企業経営者の円滑な世代交代を支援するため、贈与税や相続税の納税を猶予する制度。18年4月からは10年間の特例措置として、納税猶予の対象になる株式数の上限(従来は3分の2)が撤廃され、全株式が適用可能に。相続税の納税猶予割合も80%から100%に引き上げられ、承継時の税負担はゼロとなった。また、従業員の雇用維持要件が緩和されたほか、納税猶予の適用対象となる事業も拡大された。
中小企業庁は「事業承継税制は、後継者不足に悩む中小企業にとって大きなメリットがある。多くの企業が利用できるよう周知徹底に努めていく」と利用拡大に期待を寄せる。
経営者245万人が10年で70歳超え
同庁によると、今後10年間に70歳を超える中小・小規模事業の経営者は約245万人となり、そのうち約半数の127万人(日本企業全体の3分の1)が後継者未定だ。さらに廃業・休業する企業の約半数が黒字といわれており、親族・従業員への承継に加え、合併や買収(M&A)による第三者への引き継ぎなどの対策が喫緊の課題となっている。
現状を放置すれば、廃業は増加し、25年までに累計で約650万人の雇用が失われる可能性があるという。
こうした中小企業の後継者不足による廃業増加に歯止めをかけるため、公明党は事業承継税制の拡充を主張。その訴えを受け、後継者への引き継ぎを支援する税制措置が18年度税制改正に盛り込まれたほか、19年度税制改正では、個人事業主の事業承継税制も拡大された。










