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2023年7月11日

防衛装備移転与党ワーキングチームが論点整理

円滑な輸出へ制度見直し。国際紛争の抑止に貢献 
党ではなく個人の意見を整理。政府に検討求める 
平和国家の理念堅持し厳しい安保環境に対処

佐藤茂樹・党外交安保調査会長に聞く

自民、公明両党の「与党国家安全保障戦略等に関する検討ワーキングチーム(WT)」は5日、防衛装備品の海外への移転(輸出)に関する論点整理をまとめ、両党の政務調査会長に報告しました。論点整理の位置付けなどについて、同WTで座長代理を務めた公明党の佐藤茂樹・外交安全保障調査会長(衆院議員)に聞きました。

■議論の目的

――なぜ今、防衛装備品の移転に関する議論が必要なのですか。

佐藤茂樹・党外交安全保障調査会長 安全保障環境が厳しさを増す中、防衛装備品の移転は、国際紛争の抑止と国際社会の平和と安定に寄与し、わが国にとって望ましい安全保障環境を創出する上で重要な政策手段です。

この観点から、昨年末に政府が閣議決定した安保関連3文書の改定では「国家安全保障戦略」の中で、防衛装備品の移転を円滑に行うため、防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」やその運用指針をはじめとする制度の見直しについて検討する方針が示されました。

今回、与党WTが議論を始めたのは、こうした経緯を踏まえたものです。具体的には、三原則の運用指針を中心に検討を重ねてきました。

■位置付け

――今回の論点整理の位置付けは。

佐藤 4月から12回にわたって行われた与党WTの会合で確認した点や出された意見を論点としてまとめました。与党WTとして、具体的な方針を正式に決めたわけではありません。また、論点整理に盛り込まれた意見は、それぞれのメンバーの見識から出されたもので、一部報道にあるような、各党の考え方や主張を整理したものではありません。

今後、これらの論点について政府が検討の上、考え方を与党に提示し、その後、自公両党の政調会長からの指示を受け、与党WTで詰めの議論を行う予定です。

■公明党の姿勢

「三原則」堅持の姿勢を確認

――論点整理のポイントは。

佐藤 まず、三原則について、国連憲章の順守と国際紛争の助長の回避に大きな役割を果たしている重要性を確認したと記しました。ここでは、三つの原則そのものを変えることなく、平和国家の理念を堅持していく姿勢を示す意義が込められています。

――殺傷能力のある武器の輸出を認めるかが注目されていましたが。

佐藤 防衛装備品の移転が認められるには、その目的が「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の5類型に該当しなくてはなりません。ただ、例えば「掃海」を目的に、掃海艇を輸出するにしても、掃海艇には、機雷を破壊するための機関砲といった自衛隊法上の武器(直接、人の殺傷や物の破壊ができる武器)が装備されているのが実態です。

このため、論点整理では「5類型に該当する活動の本来業務を行うための装備には自衛隊法上の武器に当たる場合があることや、正当防衛を可能とする武器を搭載することは可能ではないかとの意見の一致があった」と記しました。ただし、三原則に基づき判断した実績はないため、「5類型(と自衛隊法上の武器)との関係について改めて整理をすべきとの意見」を併記しています。

――このほかのポイントは。

佐藤 高性能な装備品を取得する上で有益な国際共同開発・共同生産では、パートナー国から完成品・部品・技術を第三国に移転できるのであれば、同じ装備品の完成品・部品・技術について、わが国も直接、第三国に移転できるようにする方向で議論すべきだとの意見が多くのメンバーから提起されたことから「大宗を占めた」と書き込む一方、直接移転を可能とするに当たっては、その必要性や管理体制について「国民が納得できる説明が必要」との意見も盛り込みました。

国際法違反の侵略などを受けている国への支援については、三原則の前文に記載すべきとする考えと、その支援が、わが国の安全保障にどう寄与するのか、支援する意義の明確化など慎重に検討すべきとの両論を示しています。

――今後の議論にどう臨みますか。

佐藤 日本は戦後、一貫して平和国家としての道を歩んできました。この基本方針を堅持しつつ、厳しさが増す安全保障環境にあって、いかに、わが国および国際社会の平和と安定を維持していくのか真摯に議論していきたいと思います。

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