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5類移行 子どもと新型コロナ 特別に怖がらず対策を
日本小児感染症学会理事長、長崎大学大学院教授 森内浩幸氏に聞く
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行してから1カ月以上が経過した。3年にわたるコロナ禍が平時に近づく中、子どものコロナ対策について保護者はどう考えればよいか。日本小児感染症学会理事長の森内浩幸・長崎大学大学院教授に聞いた。
高リスク ワクチンで重症化予防
リスクなし 体調不良時、様子を注視
保護者 定期接種 必ず受けさせて
――子どもにとってコロナの現在の脅威度は。
子どもがコロナに感染した際の健康への影響は、他の風邪のウイルスと極端な違いはない。違いを挙げるとすれば感染力が強いことだが、子どもの重症化率や致死率は他の感染症と比べても高い数字ではなく、特別に怖がる必要はない。
コロナは、高齢であったり、基礎疾患があったりすることで危険になるウイルスだ。コロナ対策では、リスクの高い人を守ることが大事になる。リスクの高い同居家族がいる場合は、その家族が感染した際の早期対応が肝心だ。
――リスクの高い子どもに必要な対策は。
現在のワクチンは、重症化を防ぐ効果は期待できる。生まれつき、または治療目的で免疫抑制剤を使用したりして免疫力の弱い子どもは、推奨される回数の接種を検討するべきだ。
免疫力は落ちていないけれども、基礎疾患があるなど重症化リスクが高い場合は、少なくとも初回接種(5~11歳は2回、6か月~4歳は3回で完了)と1回目の追加接種までは受けてほしい。
ワクチンによる予防に加え、早期の診断・治療を行える体制を医療側が整備することが重要だ。
――重症化リスクがない子どもについては。
リスクのない子どもの重症化はまれだ。ただ、ごく一部には重症化するケースはある。ワクチンを打っておけば、ごくまれな重症化を防ぐことは期待できる。保護者はワクチンの意義を理解した上で、接種の判断をしてもらいたい。
重要なことは、子どもの体調不良の原因が何かということよりも、子どもの様子がどうであるかだ。普段の風邪と様子が違う際に、かかりつけ医などにすぐに相談できる態勢を整えておくべきだ。
コロナに限らず、風邪にかかってから急性脳症を起こす場合がまれにある。ひきつけを起こしたり、意識がもうろうとしていたり、変な行動を取ったりするなど、緊急性が高ければ迷わず119番通報してもらいたい。
――感染対策で保護者に呼び掛けたいことは。
コロナ禍で、子どもの定期予防接種率が下がっていることが危惧されている。はしか(麻疹)のようにワクチンで防いでいる怖い病気は、接種率が下がると流行の恐れがあるので、決しておろそかにしないでほしい。
コロナ禍で子どもは、さまざまなストレスにさらされてきた。これまでの経験から学び、過度な対策や過度な楽観といった極論に走らず、TPO(時・場所・場合)や流行状況などに応じて、子どもの心と体の健康や、発達と発育の観点を考慮し、バランスの取れた接し方を心掛けてほしい。









