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2023年6月18日

「こども未来戦略方針」決定

党の子育て応援プランが前進 
医療費助成、教育無償化、保育サービス充実も 
高木政調会長に聞く

政府は13日、少子化対策や財源の考え方を示した「こども未来戦略方針」を決定しました。児童手当の拡充や高等教育無償化の対象拡大など子育て支援を充実させる施策が数多く盛り込まれました。これには公明党の主張が大きく反映されています。少子化対策を実施する意義や重要性とともに、今回の政府方針のポイントなどについて、公明党の高木陽介政務調査会長に聞きました。

(危機感を共有)今後3年間で対策加速化

――戦略方針は少子化の危機感が記されています。

少子化は日本が直面する“最大の危機”です。昨年の出生数は初めて80万人を割り込みました。少子化は想定より早く進んでおり、このペースが続けば2060年近くには50万人を割り込むとの厳しい予想もあります。急激な人口減少、少子高齢化は年金や介護、医療など社会保障制度を揺るがしかねません。こうした強い危機感の下、社会全体で子ども・子育て支援に取り組むべきだと一貫して訴えてきたのが公明党です。

――どう反映されましたか。

30年代に入るまでが少子化傾向を反転させることができるかどうかの重要な分岐点であり、30年までをラストチャンスとして少子化対策に取り組まなければならないとの決意が記されました。公明党の危機感が共有された結果です。

また公明党は今後3年間を集中的に取り組む期間とするべきだと政府に強く訴えた結果、戦略方針には24年度から3年間を集中取組期間と定め、少子化対策の具体策を示した「加速化プラン」が盛り込まれました。

(党の提言を反映)児童手当、セットで拡充/来年10月分から実施へ

――方針のポイントは。

公明党が昨年11月に発表した「子育て応援トータルプラン」で掲げた政策が大きく前進します。その大きな柱の一つが児童手当の拡充です。

児童手当について戦略方針では「次代を担う全てのこどもの育ちを支える基礎的な経済支援」と位置付けを明確化しました。この精神に基づき、所得制限を撤廃し、対象を高校卒業までに拡大します。加えて多子世帯の経済的な負担を考慮し、第3子以降は月3万円に増額します。

この三つの拡充策は、公明党が当初からパッケージとして実施すべきだと政府に訴えていたものです。来年10月支給分から実施されます。

――子ども医療費助成の拡充も課題です。

公明党は高校生まで対象を広げるべきだと考えています。戦略方針では、自治体が拡充をためらう要因になっている国民健康保険の国庫負担の減額調整措置について「廃止する」と明記。これにより自治体の取り組みを支援し、拡充への突破口を開きます。

公明党が推進した高等教育無償化も拡充されます。授業料減免と給付型奨学金について、24年度から多子世帯と理工農系の学生の中間層(世帯年収約600万円)にまで拡大することに加え、さらなる支援拡充を検討します。

――ほかには。

妊娠期から出産・子育てまで切れ目なく身近な場所で相談に応じる「伴走型相談支援」は、“孤育て”(孤立した状態の育児)を防ぐ意味でも重要です。併せて、妊娠・出生時に計10万円相当の経済支援をセットで行う「出産・子育て応援交付金」事業が22年度第2次補正予算で創設されていますが、公明党は事業の恒久化を求めています。戦略方針では、制度化の検討を含め、着実に実施するとしています。

出産費用(正常分娩)の保険適用も26年度をめどに導入を含めて検討します。出産・子育てにかかる経済的負担の軽減をめざし、安心して子どもを産み育てられる社会を築きます。

このほか、就労要件を問わず専業主婦でも時間単位で保育所を利用できる「こども誰でも通園制度」(仮称)の創設が盛り込まれました。

――戦略方針に反映された公明党らしい主張は。

多様な支援ニーズへの対応として、子どもの貧困対策や虐待防止、障がい児や医療的ケア児に関する支援策の拡充検討が盛り込まれました。誰一人置き去りにしないとの公明党の訴えで、よりきめ細かな内容になりました。

(財源確保に向けて)徹底した歳出改革で捻出

――財源については。

加速化プランの予算規模は年3兆円台半ばとなる見通しで、既存予算の活用や徹底した歳出改革などを実施して捻出する考えです。年末までに制度の詳細を詰めることとしており、財源確保を目的とした消費税などの増税は行いません。また、政府は28年度までに安定的な財源を確保するため、「改革工程表」を策定します。公明党としても政府としっかり協議していきます。

――子ども・子育て予算の倍増では。

加速化プランの効果も検証しながら、こども家庭庁の予算を発足前の水準を基準として「30年代初頭までに倍増を目指す」と掲げました。関連予算を一元管理するため、特別会計「こども金庫」の新設も盛り込んでいます。

日本大学教授 末冨芳氏
公明が「歴史的転換」主導

全ての子ども、全ての子育て世帯を切れ目なく支援する「こども未来戦略方針」を政府が掲げたことは、「歴史的な転換」と言っても過言ではありません。それを導いてきたのは、公明党の長年にわたる継続的な子育て支援に対する取り組みであり、昨年11月に発表した「子育て応援トータルプラン」だったと評価しています。

少子化対策の「加速化プラン」について、戦略方針では年間予算規模を当初の「年3兆円程度」から「年3兆円台半ば」に引き上げました。この増額分は、公明党が主張していた、ひとり親家庭など子どもの貧困や障がい児、医療的ケア児への支援拡充に充てられます。

一番大変な状況にあり、置き去りにされかねない人たちに光を当てた公明党に感謝します。

予算や財源ばかりの報道が目立ちますが、戦略方針には子ども、子育て家庭に寄り添った支援策が数多く盛り込まれています。子育て当事者や若い世代の安心につなげられれば、確実に子どもの数は増えていきます。

公明党には、引き続き政策の着実な実現、充実に期待しています。

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