ニュース
【主張】プラごみ削減 条約策定へ日本の役割は大きい
プラスチックごみ(プラごみ)の削減に向け、新たな国際条約の策定をめざす政府間交渉委員会の会合が5月29日から6月2日にかけてフランスで開かれ、今年の秋までに条文案を作成することで合意した。
プラごみによる環境汚染が世界的な問題となる中、条約策定への取り組みが前進したことを評価したい。
政府間交渉委員会は、昨年の国連環境総会の決定に基づき、プラごみ削減へ法的拘束力のある条約を2024年中に策定することをめざしている。第1回会合はウルグアイで昨年開催され、今回は約170の国や国際機関、NGOなどが参加した。
経済協力開発機構(OECD)によると、世界のプラごみの発生量は00年の1億5600万トンから19年には3億5300万トンへと2倍以上に増加した。河川には1億900万トン、海には3000万トンが蓄積したとみられ、今後も増加する見込みだ。
特に、プラごみが風や波で細かく砕かれ、直径5ミリ以下の「マイクロプラスチック」になると、魚介類に蓄積して人体にまで影響を及ぼすことが懸念されており、プラごみ削減に国際社会が足並みをそろえることが急務となっている。
条文案の内容については、規制を通じたプラ製品の生産削減をはじめ、海洋への流出防止に取り組む途上国への支援などが論点となる見通しだ。
ただ、世界共通の基準による生産規制を求める欧州諸国に対し、日本や中国、米国などは回収・リサイクルを含む国内対策を踏まえるよう主張しており、今後の交渉の行方は予断を許さない。
今回の会合で日本は、プラスチック汚染を終わらせることを条約の目標とすべきと主張し、各国の賛同を得た。今後の交渉でも合意形成をリードすべきである。
日本は、1人当たりの使い捨てプラごみの排出量が米国に次いで多い。この点からも、条約策定に果たす役割が大きいことを強調しておきたい。









