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2023年6月9日

【主張】外国人材の受け入れ 人権尊重した新制度の創設を

公明党の「外国人材の受入れ対策本部」は1日、現行の外国人技能実習制度を廃止し、人材育成・確保を目的に人権を尊重した新たな制度の創設を求める提言を松野博一官房長官に申し入れた。

外国人が働きながら技術を学ぶ技能実習制度については、かねて人権侵害の問題が指摘されており、政府も制度見直しに向けた議論を進めている。公明党の提言をしっかり反映してもらいたい。

現行の技能実習制度は、日本で学んだスキルを母国の経済発展に生かしてもらう「国際貢献」を目的に1993年に創設された。

一方、働き手不足を補うための労働力確保の手段となっているケースもあり、雇用主による賃金未払いや違法な長時間労働、暴行などの問題が各地で明るみになっている。

制度の目的と実態の乖離は明らかであり、公明党が提言で新制度創設を求める理由もこの点にある。

新たな制度の柱は、働く企業を変更する「転籍」の制限を緩和することだ。

現行制度では一つの雇用主の下で働くことが必須だ。このため雇用主の立場が強くなり、実習生が不当な扱いを受けやすいと指摘されている。「転籍制限」の緩和は、実習生の立場を強めることが期待できる。

ただ、転籍によって地方から都市部に実習生が集中したり、転籍する前の雇用主が人材育成にかけたコストの扱いをどう考えるかなどの課題もある。対象とすべき業種や職種も含め、丁寧に検討すべきである。

その上で提言では、新制度で育った人材がキャリアアップできるような仕組みや、技能・能力に応じた待遇改善、日本語教育の充実なども求めた。実習生が将来的に日本国内で活躍していける手だては重要だ。

少子高齢化・人口減少に直面するわが国にとって働き手の確保は急務であり、外国人材の受け入れ拡大は避けて通れない。国際的に人材獲得競争が激しくなる中、制度の見直しにより日本が外国人から“選ばれる国”となる必要がある。

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