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2023年6月8日

【主張】物流「24年問題」対策 業界の慣行見直し、効率化進めよ

来年4月から実施されるトラック運転手の残業規制により物流の停滞が懸念される「2024年問題」。これに対応するため政府は2日、総合的な対策を盛り込んだ「政策パッケージ」を取りまとめた。

長距離から宅配などの輸送を担うトラック運転手は、物流需要の増大に人材確保が追い付かず、来年4月に長時間労働を是正するための残業規制が導入される。このまま何も対策を講じなければ人手不足が深刻化し、来年度に約14%、30年度には約34%の荷物が運べなくなるとの試算がある。

物流は、私たちの暮らしや経済を支える大切な社会インフラだ。政府が物流の停滞回避に向けた具体策を示したことを評価したい。

政策パッケージの柱は、▽商慣行の見直し▽物流の効率化▽荷主・消費者の行動変容――の三つ。

このうち商慣行の見直しについては、トラック運転手が納品時に荷物の積み卸しまで対価なしに担わされる「荷役」などを規制するため、法整備を進める。運転手の賃金水準向上など処遇改善にも取り組む。

物流の効率化では、鉄道・海運の輸送力増強、ダブル連結トラックの導入促進を掲げた。大量輸送が可能になるとともに、脱炭素化を経済成長につなげるGX(グリーントランスフォーメーション)の一環としても重要だ。さらに自動配送ロボットやドローンなどの最先端技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)も推進する。

このほか政策パッケージでは、再配達の割合を現在の12%から6%に半減するとの目標を掲げた。ゆとりを持った配送日時指定や宅配ボックスの利用拡大が必要で、消費者の理解と協力が欠かせない。

今回の政策パッケージには、物流の効率化をはじめ公明党が5月に申し入れた政府への提言が反映されている。物流の持続性を高めるには、荷主や物流事業者、消費者が一体となって取り組むことが重要だ。政府は政策パッケージに盛り込んだ施策の遂行に総力を挙げてもらいたい。

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