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障がい児学習支える通級指導教室を増設
保護者の願い、実現
教員の巡回授業も開始
送迎の負担軽く「推進した公明に感謝」
静岡・伊東市
発達障がいのある児童生徒らが、通常学級に在籍しながら個別の学習支援を受ける通級指導教室。静岡県伊東市は今年4月から、保護者による送迎の負担を減らすため、市南部に位置する市立大池小学校に通級指導教室を新設し、市中心部にある市立南中学校に増設した。加えて、市立宇佐美、北、対島の各中学校では、指導教員が巡回する通級授業も始めた。保護者からは「送迎時間が減って本当に助かる」と喜びの声が寄せられている。
大池小学校の通級指導教室で田中さん(右)から話を聞く篠原市議
通級指導教室は、発達などに課題のある児童生徒に対し、専門的な指導やトレーニングを行う場で、多くの小中学校で設置している。文部科学省の調査によると、通級指導教室に通う児童生徒は年々増加しており、全国で16万3397人に上る(2020年度)。
伊東市は、発音などがうまくできない児童のための「言語通級指導教室」と、自閉スペクトラム症などの軽度発達障がいのある児童生徒のための「発達通級指導教室」を設置している。児童生徒は通常学級で学校生活を送り、授業時間の一部や放課後を使って通級指導を受けている。
市は本年度、保護者による送迎負担を減らすため、これまで市南部地域に設置されていなかった発達通級指導教室を大池小学校に新設。利用者の増加に伴い南中学校に同教室を増設した。さらに宇佐美、北、対島の各中学校で指導教員による巡回授業もスタートした。通級指導教室を利用する市内の子どもは児童108人、生徒36人に上る(5月1日現在)。
市南部に住む田中花子さん(仮名)は、長女(小学5年生)の対人関係面での不安を感じ、昨年度まで市中心部の西小学校に通わせていた。車で送迎し、片道50分程度かかっていた。今年からは大池小学校に通うことができ、片道20分で行けるように。田中さんは「送迎時間が短くなり助かっている。推進してくれた公明党に感謝の思いでいっぱい」と喜びの表情を浮かべた。
公明党の篠原峰子市議は、発達障がいの子を育てる保護者から「通級指導教室を増やしてほしい」との相談を受け、19年12月と20年9月定例会で通級指導教室の増設を要請。党伊東支部として市長に宛てた21年度予算要望でも同教室の拡充を求めていた。