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コラム「北斗七星」
今月はパワハラにセクハラ、当選前の不祥事の発覚など、政治家の資質が問われる話題が相次いだ。ふと思い浮かんだのが、アメリカ独立宣言の起草者の一人、建国の父と呼ばれるベンジャミン・フランクリンの「13の徳」◆彼は自らを戒め、守るべき13の徳を基に人生を送った。それは節制、沈黙、規律、決断、節約、勤勉、誠実、正義、中庸、清潔、平静、純潔、謙譲(『フランクリン自伝』岩波文庫)◆最初は12の徳だったという。青年の頃、フランクリンは友人から説教を受けた。「まるで平手打ちを食らわせるような議論」をする高慢な態度を改めよと。彼は友人の忠告を素直に受け入れ、相手を尊重する「謙譲」の徳を加えた◆先日、千葉県柏市議会が市職員を対象に行った、市議によるハラスメントの調査結果が公表された。回答者1827人のうち、157人がパワハラやセクハラを「受けたことがある」。316人が「見たことがある」。いつの間にか議員は偉いと思い込み、謙譲の心を見失うのか◆気づかないものを気づかせてくれる友人と、その意見を受け入れたフランクリン。これは何でも指摘してくれる党員、支持者と、公明議員の関係と同じだろう。ありがたいことである。(東)