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住み続けられる離島へ
公明県議、島民の声聴く
鹿児島・十島村
28の有人離島を抱える鹿児島県は、離島振興が重要な政策テーマの一つ。公明党の森昭男県議はこのほど、同県十島村(トカラ列島)の島々を訪れ、離島の課題解消に向け住民の声を聴いた。
鹿児島県の南方、屋久島と奄美大島の間に広がる十島村(トカラ列島)の有人7島
十島村は、鹿児島県の南方、屋久島と奄美大島の間に浮かぶ七つの有人離島などで構成される。各島には約60~130人の住民が暮らし、島の往来や物流は主に、週2、3便のフェリーが担っている。
同村の離島の一つ、諏訪之瀬島までは、鹿児島市からフェリーで約8時間。今月2日、森県議は同島を訪れ、島民との懇談や視察を重ねた。
島留学寮 物価高で経営厳しく
このうち、島外の子どもを一定期間、島の学校に受け入れる「山海留学」の寮を訪問した森県議は、寮を運営する住民と意見交換した。寮運営者は「島の人口減対策や学校の存続につながっている」と島留学の意義を強調する一方、寮経営の課題にも言及。村と保護者からの委託料が財源となっているものの、離島特有の物価高などで「経営は厳しい」と説明した。さらに、受け入れ人数が毎年変わるため経営が不安定だとして支援の必要性を指摘した。
医療体制 ドクターヘリなど期待
口之島での懇談会。安心できる医療体制など森県議(前列中央)に要望が寄せられた
その後、森県議は、同島で活発な噴火活動が続く火山・御岳の影響も島民から聴いた。民宿の経営者は、宿の周囲に降る火山灰の清掃に苦慮していると説明。「雨が降っても火山灰は流れてくれない。洗い流す際の水道代もばかにならない」と話していた。
このほか、訪問先の住民からは「台風時に漁船を他の島に避難させる必要があるが、燃料代が負担になっている」「移住者の増加に向けた産業振興策を」など、離島特有の課題に支援を求める声が相次いだ。
噴火活動 火山灰の清掃に苦慮
活発な噴火活動が続く諏訪之瀬島。火山灰は島民生活にも影響を与えている
森県議は翌3日、同村の口之島へ移動し、島民約30人との懇談会を開催。席上、参加者からは島の医療環境に対する不安の声が上がり、ドクターヘリや遠隔医療の活用に期待する意見が寄せられた。
両島を訪問後、森県議は「島の課題を数多く聴くことができた。島に住み続けられる環境づくりへ、力を尽くす」と語っていた。