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2023年5月22日

【主張】認知症基本法案 「共生社会」実現に大きな意義

公明党厚生労働部会は16日、超党派の議員連盟が取りまとめた「共生社会の実現を推進するための認知症基本法案」を了承した。

わが国では、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になり、大半が85歳以上の高齢者で一人暮らしの割合が増えていくと見込まれている。認知症の人やその家族が安心して暮らせる環境整備が急務であり、必要な施策を進めていく上で根拠法となる基本法を制定する意義は大きい。

法案は、認知症の人が尊厳を保ち希望を持って暮らせるよう、施策の総合的かつ計画的な推進を目的に明記。基本理念として▽認知症の人の意見表明や社会参画の機会確保▽良質かつ適切な保健医療・福祉サービスの提供▽家族への支援――などを掲げている。

特に重要なのが、法案の名称にも掲げられている「共生社会の実現」である。

「共生」とは、世界的な動向である「認知症フレンドリー社会」の考え方に沿うもので、認知症になっても意欲や自信を持って自立して社会・地域で活躍できる環境を実現させることだ。それには、私たち一人一人が認知症を正しく理解することが大切であり、基本法制定はその契機となる。

行政の役割も一段と重要性を増す。法案では、首相を本部長とする「認知症施策推進本部」の設置と施策推進に関する基本計画の策定を義務付け、自治体の計画策定も努力義務とした。

その際、当事者のニーズをどこまでサービスや支援策に反映できるかが実効性を確保する上で鍵を握る。法案の理念にある認知症の人の意見を聴く体制の構築が不可欠であるとともに、認知症の人が社会で活躍するには、企業などの理解や協力も進めねばならない。

公明党は、15年に国会質問で基本法制定の必要性を主張して以来、党内に施策の推進本部を設置して法案作りに注力。18年9月には当事者らの意見を反映させた党独自の基本法案の骨子案を各党に示すなど、党を挙げて合意形成に取り組んできた。法案の早期の国会提出・成立を期したい。

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