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2023年5月19日

【主張】長引く医薬品不足 安定供給へ構造的問題の解決を

医薬品の不足が長引いている。事態を重く見た公明党は9日、加藤勝信厚生労働相に対し、安定供給に向けた提言を申し入れた。政府はしっかり対応してもらいたい。

医薬品不足の発端は、2020年末に発覚した後発(ジェネリック)医薬品メーカーによる不祥事だ。製造工程の不正を長年続け、健康被害が出ていた。

これを受けて都道府県による調査や事業者の自主点検が行われ、幾つものメーカーで問題が見つかり、業務停止命令や業務改善命令が相次いだ。その結果、幅広い種類の医薬品の出荷が止まった。

現在も、ジェネリック医薬品の約3割が出荷停止や限定出荷となっている。さらにジェネリック医薬品の供給不足を受け、先発医薬品の需要が急増して品薄となる悪循環に陥っている。

このため医療現場では、治療に必要な医薬品を処方できなかったり、普段は7日分を処方するところを3日分に減らすといった影響が出ている。

問題があったメーカーが順次生産を再開すれば医薬品不足は解消に向かうとの見方もあるが、医薬品供給体制が抱える構造的な問題にも目を向ける必要があろう。

公明党は提言の中で、今回の問題の背景に、ジェネリック医薬品の普及などによる薬価下落が続き、各メーカーが比較的収益を得やすいものの非効率的な「少量多品目生産」を行っていることがあると指摘。医薬品の安定供給や品質の担保が可能な企業が評価される仕組みの導入や、生産力増強などへの支援を検討するよう要請した。

また、かつて2年に1度だった薬価改定が21年から毎年実施されていることが薬価下落を加速させているとして見直しを主張。供給不安発生時の情報共有・情報提供の仕組みづくりや、採算性の低い小児がんなどの治療薬について未承認薬に関する検討を急ぐことなども求めた。

医薬品の供給不安を招かぬよう政府は万全を期すべきだ。

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