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【主張】コロナ後遺症 診療、相談、研究体制の拡充を
新型コロナの感染症法上の位置付けが8日、「2類相当」から「5類」に移行した。
世界的流行から3年余りを経て、新型コロナは季節性インフルエンザと同じ扱いとなった。感染再拡大への備えに万全を期しつつ、社会経済活動の正常化を一層進める契機としたい。
新型コロナを巡る課題の一つとして、回復後に続く後遺症がある。対策の強化が必要だ。
東京都が20代から70代までの住民を対象に2月に実施したアンケートでは、罹患者の4人に1人の割合で後遺症を疑う症状が2カ月以上あった。若年層ほど割合が高く、症状は疲労感・倦怠感が最多だった。
また、国立国際医療研究センターの調査によると、感染から1年以上たっても2割から3割の人が集中力低下など後遺症とみられる症状を訴えている。かなり多くの人が悩まされていることがうかがえる。
しかし、いまだ発症のメカニズムが不明で、治療法も確立しておらず、対症療法が基本だ。
厚生労働省は後遺症の主な症状として、疲労感や倦怠感、関節痛、筋肉痛、せき、たん、息切れ、脱毛、集中力低下、抑うつ、嗅覚・味覚障害などを挙げている。
こうした症状は時間の経過とともに改善することが多いが、症状が長期にわたって続いたり、感染時は軽症でも後遺症の方が重いケースもある。
厚労省では、後遺症が疑われる場合、かかりつけ医や近くの医療機関に相談するよう呼び掛けている。また、後遺症に対応できる医療機関を都道府県別にまとめて同省のホームページに掲載している。一層の周知に努めてほしい。
公明党は、政府への提言や予算要望などで、研究予算の確保と医療体制の構築、家庭や仕事への影響に対する支援など、きめ細かい対応を訴えてきた。また各地の自治体では、公明議員の提案で相談窓口が開設されている。
今後も公明党は、後遺症対策に注力していく。