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多胎児世帯へ助成金
出産時と小中高入学時に
双子6万円、三つ子以上は1人当たり6万円を加算
保護者「子育ての安心につながる」
滋賀・栗東市
双子や三つ子など多胎児を育てる世帯の経済的な負担を軽減しようと、滋賀県栗東市は本年度から、出産時や小中高の入学時に助成金を支給する事業を開始した。それぞれの時期に双子の世帯には6万円、三つ子以上の世帯には1人当たり6万円を加算して支給する。同事業は県内初の試み。多胎児世帯の支援を推進してきた市議会公明党の野々村照美(5月31日で任期満了)、川嶋恵の両議員はこのほど、市内で双子を含む3人の子育てに奮闘する勝間利恵さんらから喜びの声を聞いた。
勝間さん(右から2人目)らから喜びの声を聞く(左端から)野々村、川嶋の両議員
栗東市の多胎児世帯に対する助成金は、今年4月1日以降、多胎児の出産時と、小中学校、高校それぞれの入学時に支給。金額は双子の世帯の場合が各時期に6万円、三つ子以上の世帯には3人目から1人当たり6万円ずつ加算する。支給金額は、ベビーカーや制服、高校学習用のタブレット端末など高額な費用がかかる物品の値段などを参考にしたという。申請は、市子育て支援課に書類を提出すれば、助成金を受け取ることができる。
同市は近年、人口は増加傾向にあるものの、30~40代の子育て世帯が近隣市へ流出しているという課題を抱えていた。市の担当者は「今回の助成金支給で安心して子育てができ、定住するきっかけになれば」と期待を寄せる。
市内在住の勝間さんは現在、中学3年生の長女・純鈴さんと、双子で小学6年生の長男・龍翔くん、次女・瑞姫さんの子育てに奮闘中。双子が生まれてから幼稚園に入園するまでは、「毎日が大変だった。子どもの成長のうれしさは2倍、3倍になるものの、家計への負担が大変だった」と振り返る。それでも、多胎児サークルで同じ悩みを抱えるママ友と語り合い、共有できたことが「息抜きになった」と語る。
来年は、純鈴さんの高校進学と同時に、双子の龍翔くん、瑞姫さんが中学校に入学する。準備にかかる費用が大きいと懸念していた勝間さんは、「制服代や自転車購入費が特に高く心配していた。今回の事業で経済的な不安が和らぎ、子育ての安心につながる」と笑顔で話していた。
多胎児世帯の支援について市議会公明党は、予算要望や定例会一般質問などで一貫して推進。昨年9月定例会でも川嶋議員が、同時に二人以上の妊娠・出産・育児をすることに伴う経済的な問題や社会からの孤立など、多胎児ならではの困難さに直面する保護者も少なくないことから、「多胎児世帯への支援を強化すべきだ」と主張。同世帯への支援を求めていた。