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2019年5月15日

コラム「北斗七星」

散乱した教科書に机、天井は抜け落ち、折れ曲がった配管や電線がぶら下がる。3階では窓を突き破った車や流木が横たわっていた。8年前に見た光景そのまま。「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」(宮城県)を訪れると3.11が、きのうのように思い出された◆あの日、大津波に襲われた気仙沼向洋高校では、生徒は高台に避難し全員無事だった。伝承館は、被災した旧校舎を保存・整備し、市民の体験や津波の映像を通し、震災の脅威をリアルに伝えている◆同市では、1隻の船を震災遺構として残す活動が続いている。その船の名は、臨時船「ひまわり」。離島・大島と本土を結んでいた。定期フェリーは、津波で全てが損壊し運航不能に。再開できたのは1カ月半後で、その間、島の“命綱”として活躍したのが「ひまわり」だった◆船長の菅原進さんは、3月11日午後2時46分、あの激しい揺れに直面した時、「必ず津波が来る」と直感した。そして「島民の移動手段を守らねば」と迫り来る大津波に向かって船を出し、8階建てのビルのような高波を乗り越えたという◆大島は先月7日「気仙沼大島大橋」の開通で離島ではなくなり「ひまわり」は引退した。被災地では復興が進み爪痕は消えつつある。失われた命に応えるためにも記憶と教訓を伝え続けたい。(川)

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