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コラム「北斗七星」
イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイは、月の表面がくぼみや隆起に満たされていることを発見した。400年以上前のことである◆月が磨かれたような球形だと考えられていた当時、自ら製作した望遠鏡を使い、天体を観察した。月の起伏以外にも、天の川が無数の星で構成され、木星に4つの衛星があることを見つける。その様子は著書『星界の報告』(講談社学術文庫)につづられている◆宇宙への探求は現代も変わらない。日本のベンチャー企業が先月、民間としては世界初の月面着陸に挑んだ。着陸直前に通信が途絶え、試みは残念ながら失敗。燃料切れにより月面に衝突した可能性が高いと発表された。2024年には再度、着陸船を打ち上げる予定があり、今後に期待が高まる◆米国が主導し、日本や欧州各国が参加する月面探査プログラム「アルテミス計画」も進んでいる。来年には有人で月を周回し、25年に宇宙飛行士の月面着陸をめざす。実現すれば50年前の「アポロ計画」以来であり、興味は尽きない◆ガリレオは天体観測における新たな発見について、「この上なく驚くべきもの」と表現した。驚嘆し、胸躍るような宇宙の新発見や新展開を心待ちにしたい。(先)