公明党トップ / ニュース / p292869

ニュース

2023年5月8日

【主張】人間の安全保障 G7から開発協力へ連帯拡大を

国家の安全だけでなく、人間を恐怖と欠乏から守る「人間の安全保障」の考えが誕生してから約30年。国連は今、気候変動、エネルギー問題、貧困、紛争が複雑に絡み合う現代の課題に対し、世界が“連帯”して立ち向かうよう訴えている。

長野県で先月開かれたG7(先進7カ国)外相会合は「人間の安全保障」推進を再確認。近く閣議決定する開発協力大綱で“連帯”を掲げる日本は、世界に先駆け模範を示す必要がある。

国連はなぜ「人間の安全保障」に“連帯”が不可欠だと考えたのか。その理由は、昨年公表された国連開発計画の特別報告書『人新世の脅威と人間の安全保障』に示されている。

報告書は、さまざまな問題が複雑に絡み合う現代を「人新世」と位置付けた。これは、人間が地球の生物圏を大きく変え、地球規模の変動に影響を与える新たな時代に入ったとの考え方である。報告書は現代の複雑な課題を「新世代型の脅威」と呼んだ。とても一国の政府だけで対応できるレベルではない。

国連は、これを乗り越えるには「人間の安全保障」の柱である、脆弱な立場の人々の主体性を尊重した「保護」と「能力向上」という支援だけでは不十分であり、各国政府と国際機関、さらには企業、市民社会、大学・研究機関が支援される側と“連帯”して課題解決に取り組むことが重要であると訴えている。

G7外相会合は、特にサハラ以南アフリカに今後ますます「新世代型の脅威」が集中すると予測し、支援強化で合意した。

しかし、“連帯”が要請されている世界は残念ながら分断傾向にある。

大国間では、パワーバランスの変化に伴う勢力争いが激化し、力による現状変更の試みも続く。その一方で、途上国は経済成長の減速と国内外の格差に苦しんでいる。

今こそ、再び国家から人間に焦点を当てるべきだ。今月開かれるG7広島サミットが「人間の安全保障」をめざす“連帯”の幕開けとなることを期待したい。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア