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2019年5月14日

【主張】通年採用の拡大 就活の長期化にならぬ工夫を

 学生に不安を与えぬよう丁寧に議論を進めるべきだ。

 経団連と大学関係者でつくる産学協議会が、通年採用の拡大を求める共同提言をまとめた。政府の未来投資会議に報告し、成長戦略への反映をめざすという。

 通年採用とは、年間を通じて企業が採用活動を行うことだ。日本は春の新卒一括採用が中心だが、転職者の補充や新規事業への人材確保などのため、春以外にも採用活動を行う企業が増えつつある。

 まして経済のグローバル化に伴ってビジネス環境が変化するスピードは速くなっている。必要な人材を必要な時期に採用できるかどうかは、企業のみならず、わが国経済の成長にも影響する。

 こうした観点から、提言が春採用に偏った従来の慣行を見直し、通年採用の拡大を促していることは理解できる。

 学生にとっても利点がある。留学する学生が増えているが、海外の大学は秋に卒業するところが多い。また、大学卒業後すぐには就職せず、さまざまな社会経験を積みたいという学生もいる。通年採用の拡大は学生のニーズに応えるという面もあろう。

 一方で懸念の声もある。

 横並びでスタートしていた就職活動の目安がなくなれば、多くの学生はいつから就活を始めるべきか分からなくなる。企業側といつでも接触できるようになることが、結果的に就活の長期化を招くようでは本末転倒だ。

 この点で注目したいのは、学業の尊重や採用時における学修成果の重視を、今回の提言が強調していることだ。通年採用を拡大しても、これまで通り春に卒業し、すぐに就職したいという学生が大半であろう。こうした学生が学業に支障を来すことなく就活できる環境づくりに努めるべきである。

 また、通年採用の拡大によって人材の確保を巡る競争が過熱すれば、どうしても大企業が有利になり、人手不足が深刻な中小企業には大きな痛手となりかねない。この点についての目配りも必要だ。

 産学協議会では今後、作業部会を設けて具体的な仕組みづくりを始める。くれぐれも就活の長期化にならぬよう、しっかりした議論を望んでおきたい。

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