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2019年5月14日

温室効果はCO2の1万倍 「代替フロン」の規制強化へ

国際社会の共通課題に 
日本、排出量の削減が急務

地球温暖化の防止に向け「代替フロン」の排出をどう抑えるかが課題となっている。代替フロンは、紫外線を吸収するオゾン層を破壊し使用が国際的に規制された特定フロンに代わり開発された。業務用冷蔵庫や空調機器などに広く使われているが、二酸化炭素(CO2)の1万倍もの温室効果がある。国際社会や日本の取り組みについて解説する。

国内の温室効果ガスの排出量

代替フロンは、オゾン層に悪影響がないことから、1990年代に普及。ビルの空調や冷蔵庫、製氷機、食品を陳列するショーケースなどを冷やす「冷媒」として幅広く使われるようになった。

しかし、代替フロンには高い温室効果があり、大気中に放出されると、地球温暖化を促進させることが後に判明。2016年10月にルワンダで開かれた国際会議で規制対象となった。

具体的には代替フロンの生産・消費量について、日本を含む先進国は36年までに基準となる11~13年の平均から85%削減することが義務付けられた。発展途上国については45年までに80%削減が目標だ。計画通りに削減が進めば、今世紀末の気温上昇を0.5度、抑えることができるとされる。

日本でも代替フロン削減に向けた取り組みを進めてきた。

18年4月からは、家庭用のエアコンや冷蔵庫などを保管・処分する業者について、都道府県への届け出が義務付けされ、不適切な処分が行われないようにした。今年1月には、代替フロンに関する製造や輸入について、数量の上限を定めた規制が始まった。

このように代替フロンの製造や消費を抑える取り組みが進む中、新たな課題が浮上している。排出量の増加である。

環境省が先月に公表した17年度の国内の温室効果ガスの排出量の内訳をみると、CO2が減少する一方、代替フロンは増加傾向にある。

大きな原因は代替フロンが適切に回収されていないことにある。環境省が18年に、回収業者を対象に行った実態調査によると、業務用の空調や冷蔵設備などを廃棄する際のフロン類の回収率は4割に満たなかった。

適正処理へ法案提出
廃棄時の回収率向上めざす

フロン排出抑制法改正案のポイント

このため政府は、フロン排出抑制法改正案を今国会に提出している。

現行の抑制法では、業者が業務用の冷蔵庫や空調機器を廃棄する際、代替フロンなどが大気中に漏れ出ないように回収することが義務付けられている。

違反を重ねた場合は50万円以下の罰金という罰則が設けられているが、あくまでも違反を繰り返さなければ罰則を科せられなかったため、抑止効果が低いと指摘されていた。

そこで今回の改正案では、1度の違反でも罰則の対象としている。加えて、代替フロンが回収済みであることを証明する書類が無ければ、機器の引き取りや廃棄処分を禁止する規定も盛り込まれた。

また、建物を解体する際に、都道府県が現場を立ち入り検査する範囲を広げるなどして、指導監督の実効性を高める。不法な廃棄が確認できるよう業者には機器の点検記録の保管も求める。

今回の法改正により、政府は、回収率を20年に5割、30年に7割に引き上げることを目標に掲げている。

代替フロン規制について公明党環境部会は、昨年8月、回収率向上のための法改正などを当時の中川雅治環境相に申し入れている。

中川環境相(当時、中央)に政策提言を申し入れる党環境部会のメンバー=昨年8月 環境省

竹谷とし子党環境部会長(参院議員)は、地球温暖化を抑止する観点から、改正案の早期成立を求めていくとともに、「温暖化への影響が小さいとされる自然冷媒が普及できるよう支援しつつ、産官学の連携を促して、低コストで環境に優しい新冷媒の開発も後押ししたい」と語っている。

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