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知ってほしい 低体重児救う「母乳バンク」
県立高で公明県議が提案の講座開催
専門家、看護師めざす生徒に訴え
愛知・豊田市
愛知県豊田市の県立豊田東高校はこのほど、看護師をめざす同校のカリキュラム「看護プラン」を選択している生徒を対象に「母乳バンク」に関する講座を開いた。ドナーミルク(寄付された母乳)を提供している藤田医科大学医学部の宮田昌史准教授が、県内の学校で初めて講演。公明党の加藤貴志県議も聴講した。
早産などにより1500グラム未満で生まれた「低出生体重児」にとって、病気を防ぐために母乳が重要とされる。ただ、母親が病気のため母乳を与えられない、母乳が十分に出ないなどのケースもあり、こうした母親に代わってドナーミルクを提供するのが、「母乳バンク」だ。
藤田医大病院は、ドナーミルクを提供しており、国内3カ所目となる母乳バンクの設立を予定している。講演で宮田准教授は、バンクの歴史や仕組みをスライドを用いて説明。国内に2カ所しかない母乳バンクの現状を「知ってほしい」と強調し、看護師になった際、「利用者に適切に説明し、ドナーミルクに対する不安や抵抗感を減らす役割を担ってほしい」と呼び掛けた。
参加した3年生の一人は「母乳バンクが多くの赤ちゃんを救っていることを知った。看護師として働きたいと思っているので、しっかり勉強していく」と決意を深めた。
加藤県議は母乳バンクの設立や啓発を県議会で提案するなど努力を重ねてきた。教育現場での啓発も重要だと考え、看護プランのある豊田東高校に対し、母乳バンクに関する講座の開催を提案し、宮田准教授へ依頼する役割も果たした。
ドナーミルクの啓発、心強い
昨年8月に長女を出産した水田さゆりさん
昨年8月に長女を出産しました。妊娠高血圧腎症の影響で予定日よりも早く生まれたため、体重は838グラムで、担当医からドナーミルクを勧められました。
その存在を知らなかったため不安はありましたが、説明を聞いて安心しました。ドナーミルクのおかげで、長女は健康に育っています。
母乳バンク講座が高校で行われたと聞き、素晴らしい取り組みだと思いました。ドナーミルクを理解している看護師が増えれば、母乳が出ない母親にとって、とても心強いことです。