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物価高追加策で生活守る
予備費2.2兆円支出を閣議決定
低所得世帯に給付金(一律3万円+児童1人5万円)
交付金積み増し LPガス代を軽減へ
政府は28日の閣議で、2022年度の新型コロナウイルス・物価高騰対策予備費から2兆2226億円を支出すると決めた。22日に政府が決定した物価高に対する追加策などの財源となる。低所得の子育て世帯支援に向けて、児童扶養手当を受給するひとり親世帯や住民税非課税の子育て世帯などを対象に、児童1人当たり5万円の「子育て世帯生活支援特別給付金」を支給する費用に1551億円を充てる。
地方自治体が地域の実情に応じて物価高対策を講じられる「地方創生臨時交付金」については、1兆2000億円を積み増す。このうち5000億円は、低所得世帯支援枠となり、住民税非課税世帯1世帯当たり3万円を目安に給付する事業に充てる。残りの7000億円は、LPガス(プロパンガス)や、電力使用の多い法人向け「特別高圧電力」の負担軽減策などを自治体に促す。
また、畜産農家の負担を軽減するため、飼料価格高騰対策に965億円を充てる。配合飼料価格の高止まりを踏まえ、22年10~12月期の緊急対策を、23年1~3月期にも拡大して生産者の飼料コストを抑制。輸入小麦の政府売り渡し価格の抑制策では、311億円を確保する。
一方、コロナ対応のため都道府県に配る「緊急包括支援交付金」を7365億円増額し、病床確保などに必要な費用を支援する。
公明の主張が実現
公明党は、石井啓一幹事長らが15日、首相官邸で岸田文雄首相に対し、物価高騰から国民生活と事業活動を守り抜くための追加策の提言を提出。この中で、エネルギーや飲食料品などの値上げにより国民の不安が高まっていると指摘し、「公明党の提言を最大限に反映し、予備費を活用した速やかな追加策の実行を強く求める」と訴えた。
提言では、具体的な追加策として、LPガスの負担軽減策や地方創生臨時交付金の積み増しを要請。生活困窮者支援については、5万円の特別給付金や低所得世帯に対する支援を求めていた。