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2023年3月24日

【主張】ロ大統領に逮捕状 戦争犯罪許さぬ姿勢示したICC

ウクライナの民間人や民間施設を意図的に狙った攻撃、同国の住民への拷問、性的暴行、子どもの連れ去りなど、ロシア軍が行っている数々の戦争犯罪行為。それを実行、もしくは命令した個人の処罰に向けた取り組みを進めている国際刑事裁判所(ICC)は17日、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を発行した。

ICCが戦争犯罪の責任を問えるのは、ウクライナで捕虜になったロシア兵にとどまるのではないかとの見方もあったが、プーチン氏への逮捕状の発行に踏み切った意義は大きい。

ICCがプーチン氏にかけた容疑は、ウクライナの子どもをロシアに強制的に移送した犯罪への関与である。子どもを含む民間人の強制移送は、武力紛争時に適用される国際人道法で禁じられた戦争犯罪だ。ウクライナ政府によると、ロシア軍が連れ去ったウクライナの子どもは1万6000人を超えるという。

プーチン氏は大統領令で、ウクライナの子どもを一方的に孤児だと決め付けて連れ去り、ロシア人との養子縁組を促しているのだから、関与は明白だ。ウクライナの子どもを親元から引き離す非人道的な犯罪を看過してはならない。

ICCには日本を含む123カ国が加盟しているが、ロシアは加盟していないため、ICCに従う義務はなく、プーチン氏がロシア国内やICC非加盟国にいる限り、逮捕されることはない。しかし、プーチン氏がICC加盟国に外遊する場合、そこで逮捕される可能性が生じるという点で、今回の逮捕状はプーチン氏にとって痛手だろう。

例えば、2024年にはブラジルで、25年には南アフリカで20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれるが、両国ともICC加盟国であり、プーチン氏は参加が困難になる。

ICCは引き続き、ロシアの戦争犯罪を立件していく姿勢だ。ICCの最大の分担金拠出国である日本は、今後もICCへの支援を一層強化し、戦争犯罪を断じて許さない姿勢を示していきたい。

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