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ひろみ、おめでとう 病死から40年 愛娘に卒業証書
きっかけは本紙。公明議員が連携 沖縄県
卒業証書を受け取ったミヱ子さん(前列中央)、博さん(同左隣)夫妻と喜ぶ金城(同右隣)、仲地(後列右)の両議員
「ひろみ、卒業だよ。おめでとう!」。4月中旬、沖縄県立名護特別支援学校(名護市)の一室で、照屋ひろみさん(享年8歳)の卒業証書授与式が行われ、父・博さん(73)と母・ミヱ子さん(72)夫妻(北谷町在住)の声が響いた。
ひろみさんは、体幹や四肢が強く収縮する発作などを引き起こす「点頭てんかん」という病に襲われた。7歳で同校の小学部へ入学し、家族に支えられながら半年間、通学。懸命な闘病を続ける中、1979年に短い生涯を閉じた。
愛娘の病死から40年。「ひろみのために何かできないか」と、思い続けてきたミヱ子さんの目に一つの新聞記事が飛び込んだ。それは、本紙1月9日付のコラム「北斗七星」だ。コラムでは小学2年生の娘を事故で亡くした母親が「せめて、卒業証書だけでも……」との願いを公明議員に託し、事故死から4年半後に実を結んだエピソードが紹介されていた。
ミヱ子さんは、公明党の仲地泰夫・北谷町議に「亡き娘にも卒業証書を授与させたい」と、胸の内を明かした。仲地町議は即座に金城勉県議と連携。金城県議が県教育委員会に働き掛け、県教委と学校側の承諾を得て、今回の授与式に結び付いた。
授与式の席上、同校の西永浩士校長から卒業証書と共に同校の高等部生が作った皿が記念品として贈呈された。金城、仲地両議員が見守る中、証書を受け取ったミヱ子さんは、「ひろみが懸命に生きた証しを残せて本当にうれしい」と語り、そっと目頭を押さえていた。