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現場の声 国政に届ける
衆院予算委分科会で活発に論戦
衆院予算委員会は20日、2023年度予算案に関して、各府省別に分かれて議論する分科会を開き、公明の各氏が現場発のテーマを取り上げ、活発に論戦を展開した。
LGBTの拠点づくりを
鰐淵氏
第1分科会で鰐淵洋子氏は、LGBTなど性的少数者への支援について、当事者の声として、相談対応などを実施する情報発信・交流施設「プライドハウス東京レガシー」のような施設が「なくてはならない場所になっている」と聴いたことに触れ、同様の拠点や居場所づくりの推進を求めた。
また鰐淵氏は性的少数者への差別や偏見の根絶に向けて「性的少数者に権利を認めるという視点ではなく、元々権利があることを前提に、人権保障を阻む障害を除去する視点で取り組むべきだ」と強調。小倉将信共生社会担当相は多様性・包摂性のある共生社会の実現に向け「国民の声を受け止め、しっかり取り組む」と述べた。
LPガス代、軽減せよ
平林氏
第7分科会で平林晃氏は、高騰するLPガス(プロパンガス)料金の負担軽減策について、利用者に幅広く支援が行き渡るよう対応を求めた。
平林氏は、政府が都道府県に対して、地方創生臨時交付金を使ったLPガス料金の上昇抑制を促しているものの、予算枯渇などを理由に事業化が難しい県が12県あると指摘。一方、39都府県の知事からは、都市ガス料金の負担軽減策に準じた対策を講じるよう要望が出ているとし、「利用者補助が行き渡らないことや、それに伴う不公平感に対策を」と訴えた。
経済産業省側は、自治体に負担軽減策の実施を働き掛けるとともに、予算に関しては「財政当局と相談する」と述べた。
賃上げへ価格転嫁、重要
福重氏
第5分科会で福重隆浩氏は、賃上げの実現に向け、中小企業が価格転嫁しやすい環境整備が重要だとして、取引調査員「下請Gメン」の実効性を高めるよう訴えた。
福重氏は、下請け企業がGメンに相談することで、取引先の企業から「情報を漏らした」などと言われ「価格交渉が不利にならないか」といった不安の声が寄せられていると指摘。中小企業庁側は「情報提供者が親事業者に特定されないよう、細心の注意を払った上で業界団体や個別の事業者に働き掛け、取引適正化を図る」と答えた。
また、福重氏は、適正な取引に向けた大企業と下請け企業の「パートナーシップ構築宣言」の周知徹底も求めた。
G7首脳、原爆資料館に
日下氏
第3分科会で日下正喜氏は、5月に被爆地・広島で開かれる先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)について「国際世論を喚起し、核廃絶、軍縮への道を開く最大のチャンス」と強調し、政府の取り組みをただした。
具体的には、核保有3カ国を含むG7の首脳や次代を担う政治リーダーらに被爆の実相に触れてもらうため、広島平和記念資料館(原爆資料館)の訪問を要望。「高齢化が進む被爆者の“命の声”に直接触れてもらいたい」とも訴えた。
林芳正外相は、各国首脳に被爆の実相を伝える意義に触れ、「広島から核兵器の惨禍を二度と起こさないコミットメントを示したい」と述べた。
放課後デイの事故防げ
庄子氏
第4分科会で庄子賢一氏は、障がいのある子どもが通う「放課後等デイサービス」で、死亡や負傷などの事故が2012年度の制度開始以降、全国で少なくとも約4100件発生しているとの報道を踏まえ、「国として事故防止・抑制をどう強化するか」とただした。
畦元将吾厚生労働大臣政務官は、今年4月から運営基準が改正され、設備の点検や職員の研修といった安全計画の策定が義務付けられると説明。「国として、計画に基づいた取り組みの徹底を進めていく」と応じた。
これに対して庄子氏は、子ども一人一人の状況に応じた配慮ができるようにする職員への研修が必要だと指摘した。