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非正規の賃上げ加速を
就労拡大で収入増も
「年収の壁」対策検討せよ
公明党の山口那津男代表は2日午前、東京都新宿区の党本部で開かれた中央幹事会であいさつし、今後の賃金引き上げに向けた取り組みについて「日本の低い賃金水準から、外国で稼ぐ若者が増えれば、将来に禍根を残す。今年の賃上げが日本の社会に大事な影響を及ぼすターニングポイントになるかの大事な局面だ。しっかりと取り組んでいきたい」と強調した。
中央幹事会で山口代表
この中で山口代表は、非正規労働者の賃金を大幅に引き上げる企業が出てきたことに対して「今の物価高を上回る賃金上昇の流れをつくる上で、意欲的な取り組みだ。こうした流れが一層広がることを期待したい」と力説した。
一方で、現場で働く非正規労働者からの声を紹介し、一定の年収を超えると社会保険料や税の負担が生じる「年収の壁」への対策を講じる必要性を指摘。この壁を意識して、非正規労働者が就業を調整してしまうことや、年末など繁忙期に企業が働き手を確保できない問題に触れ、「壁を意識しないで働ける環境をつくれないか、いろいろと検討していく必要がある」と訴えた。
所得税が生じる基準となる「年収103万円の壁」については、与党が税制改正で対応し、影響を大きく緩和してきたものの、「現場で働く人や雇う側の壁がある意識は変わらず、もっと周知徹底する必要がある」と力説。1月27日の参院代表質問で対応を求めても岸田文雄首相から答弁で「言及がなかった。現場の意識を変える点で政府の取り組みが足りないと、あえて指摘したい」と述べた。
一方、公明党の北側一雄中央幹事会会長(副代表)は2日、党本部で行われた記者会見で、年収の壁への対応について「制度の問題や働く人の意識の問題、企業の対応のあり方など課題がある」との認識を表明。「できるだけ就業調整がないようにどうしていくか、さらに議論を深めたい。一定の期限を設けて、方向性を党として発信していきたい」との考えを示した。