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【主張】奨学金制度 給付型の拡大、返還支援進めよ
大学受験シーズンが本格化する中、公明党は国会論戦で、学生を経済的に支える奨学金制度を取り上げている。
石井啓一幹事長が1月26日の衆院代表質問で、高木陽介政務調査会長は同30日の衆院予算委員会で、それぞれ「給付型奨学金の対象拡大」や「奨学金の減額返還制度」について政府の取り組みをただした。
岸田文雄首相は、返還不要の給付型奨学金について対象となる世帯年収を引き上げることや、ライフステージに合わせて貸与型奨学金の返還額を柔軟に変えられる減額返還制度の拡充に取り組む考えを明らかにした。年収基準など具体的な制度設計を急いでほしい。
文部科学省の調査では、初年度に必要な大学の学費は、国立で授業料と入学金合わせて約81万円。私立の場合は入学金と授業料、施設設備費を含め文系が平均約118万円、理系で約156万円となっている。
国の奨学金事業を担う日本学生支援機構によると、何らかの奨学金を受給する大学生は49.6%に上る。奨学金の役割は重要だ。
公明党は、経済的な理由で進学を諦めるようなことがあってはならないとの観点から、奨学金制度の拡充を推進してきた。
昨年11月発表の「子育て応援トータルプラン」や今春の統一地方選重点政策では、給付型奨学金を多子世帯と理工農系学部の大学生を対象に中間所得層まで拡大することや、減額返還制度の拡充を提言している。
地方自治体の取り組みにも注目したい。
例えば東京都足立区は、区議会公明党の推進により、40人限定で入学金と授業料、施設整備費の全額を支給する給付型奨学金制度を今年から導入する。このほか奨学金の返還支援については、昨年6月1日時点で36都府県、615市区町村が独自に実施している。
少子化対策は、わが国が直面する最重要課題であり、その柱の一つが子育てにかかる経済的負担の軽減だ。この点からも、奨学金制度の拡充が必要であることを強調しておきたい。