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党幹部座談会 統一地方選大勝利めざして(4=完)
子育て支援で日本に活力
「トータルプラン」実現必ず
「2040ビジョン」示し安心と希望の社会築く
少子化対策は国の「隠れた安全保障」
山口那津男代表 2年後の2025年に団塊の世代が全員、75歳以上になり、全人口の約18%を後期高齢者が占める。一方、昨年の出生数は初めて80万人を割る見通しだ。このままでは社会保障制度などの持続可能性が危ぶまれる。こうした厳しい現状認識を踏まえ、公明党は昨年11月に「子育て応援トータルプラン」を発表した。子育て支援は、まさに国の「隠れた安全保障」といえる事態に差し掛かっている。
石井啓一幹事長 公明党は1964年の結党時に「大衆福祉」の旗を掲げ、「福祉なんて政治が扱うものではない」と冷笑していた他党の政治家の考えを覆し、福祉を政治の表舞台に押し上げてきた。トータルプランの提言は、公明党の代名詞といえる政策集だ。第1弾は1976年の「福祉社会トータルプラン」にまでさかのぼる。その後、高齢化が進む社会情勢に対応した「21世紀トータルプラン」(89年)、「少子社会トータルプラン」(2006年)と続く。
古屋範子副代表 最初の福祉社会トータルプランは、日本の政党が初めて策定した福祉の総合政策として画期的な内容で、当時、識者から「批判にたえうる現実的一貫性をもっている」(村上泰亮・東京大学教授=1976年10月25日付本紙)と高い評価が寄せられました。今や当たり前となった基礎年金の導入や児童手当の拡充、幼児教育・保育の無償化など、社会保障の施策の多くは、公明党が数々のトータルプランで掲げ、一つ一つ着実に実現したものです。
巣立ちまで支援策切れ目なく実施
高木陽介政務調査会長 今回の子育て応援トータルプランは、コロナ禍で少子化が想定を上回る速さで進む危機的現状を打破すべく、識者や子育て世代の声を反映して策定した。妊娠・出産から子どもが社会に巣立つまで、ライフステージに応じた支援策を切れ目なく示した。
佐藤茂樹国会対策委員長 岸田文雄首相が記者会見で今年取り組む課題として「異次元の少子化対策」の中で掲げた、児童手当を中心とする経済的支援や幼児教育・保育、産後ケアのサービスなどは、いずれも子育て応援トータルプランに盛り込まれている。妊娠期からの伴走型相談支援と、妊娠・出産時に計10万円相当を給付する経済的支援を一体的に行う事業も同様で、昨年12月に成立した2022年度第2次補正予算に盛り込まれ、実施される。
西田実仁選挙対策委員長 これまでにない思い切った少子化対策を講じることが肝要だ。そのため子育て応援トータルプランには、子ども関連予算の倍増を掲げている。京都大学大学院の柴田悠准教授は「子どもの健全な発達を促すことで、将来、生産性が向上し、納税額が増加すると見込まれます」(1月16日付「読売」)と指摘している。子育て支援は「コスト」ではなく、「次世代への有益な投資」と捉えるべきだ。
“子ども予算”を各国トップ水準に
高木 公明党の推進で、各国と比べて低いといわれてきた子育て関連予算は、GDP(国内総生産)比2%程度とOECD(経済協力開発機構)の平均に肩を並べるまでになった。首相は“子ども予算の倍増”を掲げており、実現すれば先進国でトップクラスの水準になる。党として十分な予算確保に取り組みたい。
佐藤 いよいよ週明けの23日に通常国会が召集される。子育て応援トータルプランを実現するための大きな舞台だ。まずは、出産育児一時金の50万円への引き上げなどを盛り込んだ23年度予算案の成立に万全を期したい。
持続可能な社会保障への道筋示す
西田 わが国は少子高齢化・人口減少社会に既に突入しており、中長期の視点から見れば、当面、見据えるべきは高齢者人口がピークを迎える2040年だ。将来にわたって持続可能で、子どもから高齢者まで安心できる「全世代型社会保障制度」への道筋を示さなくてはならない。
石井 その観点から、公明党として40年までの社会保障制度改革の流れを示す「安心と希望の『絆社会』 2040ビジョン」(仮称)を23年度中をめどに策定したい。党内の検討委員会で議論を本格化しており、通常国会の会期末までに中間取りまとめを行う方針だ。
山口 「2040ビジョン」策定は「福祉の党・公明党」の真価が問われる重要なプロジェクトだ。全力を挙げて取り組み、日本の明るい未来を切り開いていこう!