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【主張】ウクライナ支援 地雷除去で重要な日本の取り組み
ロシアによるウクライナへの侵略に伴い、ロシア軍は大量の地雷をウクライナの領土に敷設している。また、ロシア軍が使用するミサイルや砲弾などの1~3割は不発弾となっているとみられ、それらもウクライナの全土に散在している。
ゼレンスキー大統領によると、「ウクライナの領土の17万4000平方キロメートルが地雷や不発弾で汚染されている」という。同国の国土面積の約3割に当たり、カンボジアやシリアの国土面積に匹敵する広さだ。
ロシア軍が撤退した地域でウクライナ住民の生活再建を進めるには、まず、いつ爆発するか分からない地雷や不発弾を除去する必要がある。それ故、日本が今月から、カンボジアと共同で開始するウクライナの地雷除去支援は重要だ。
この支援では、ウクライナから15人の地雷除去要員を今月中にカンボジアの首都プノンペンに招き、日本の協力を得て、最新の地雷探知機の使い方などを習得する訓練を行う。4月には、カンボジアから地雷除去の専門家チームをウクライナの隣国ポーランドに派遣し、ウクライナの地雷除去支援を本格化させる。
カンボジアは内戦中に敷設された地雷の除去を進め、国を復興させてきた。シリアやイエメンなど多くの国にも地雷除去要員を派遣している。その経験が評価され、昨年11月にゼレンスキー大統領がカンボジアのフン・セン首相に電話で支援を要請。フン・セン首相は日本と協力して支援を行う意向を示していた。
日本はカンボジアに地雷探知機や除去機を提供するなどの支援を行ってきた実績があるためだ。カンボジアなどの地雷除去支援を推進してきたのが公明党だ。
ロシア軍が残した地雷や不発弾により、昨年2月24日から9月までの間に277人のウクライナの民間人が負傷した。ウクライナの地雷除去要員も作業中に29人が死亡、73人が負傷している。高性能な地雷除去機や探知機を開発している日本はその技術力を生かし、ウクライナの地雷除去を後押ししていきたい。