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行動制限のない年末年始 コロナ対策のポイント
新型コロナウイルスの新規感染者数が全国的に増加傾向にある中、3年ぶりに迎える“行動制限”のない年末年始。人との接触機会が増えるこの時期に注意したい対策のポイントを、政府資料などを基にまとめました。
■感染防止のために
“3密”回避など徹底
主要駅周辺など無料検査も積極活用
政府は23日、帰省などで移動が活発になる年末年始を控え、コロナ感染対策に関する国民への「お願い」を発表しました。1.地域の感染動向を踏まえた行動2.オミクロン株対応ワクチンの接種3.基本的な感染対策の徹底4.帰省前後の検査――などを呼び掛けています。
これによると、基本的な感染対策は、適切なマスクの着脱や“3密”の回避、定期的な換気などが重要です【表1参照】。
帰省先では高齢の親族らとの接触機会も増えるため、感染防止と体調管理に一層の注意が必要です。出発前に検査を受けることも大切です。政府は今月24日から来年1月12日までの期間、主要な駅周辺や空港など126カ所に臨時の無料検査拠点を設置。積極的な活用を呼び掛けています。
■症状が出た時は
高齢者らは発熱外来へ
重症化リスク低い人、まずは自身で検査
医療機関の休診が増える年末年始。コロナとインフルエンザの同時流行も懸念される中、各地の発熱外来が逼迫する恐れがあります。症状が出た場合について政府は、重症化リスクの高い人を守る観点から、個々の状況に合わせた対応を求めています【表2参照】。
喉の痛みや発熱などの症状が出た場合について厚生労働省は、重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患のある人、妊婦などは速やかに発熱外来(医療機関)を受診するよう呼び掛けており、小学生以下の子どもは「かかりつけ医をはじめ地域の小児科医などに相談を」としています。
重症化リスクが低い人には、「まずはご自身で新型コロナ抗原定性検査キットで検査してください」と求め、陽性であれば地域の「健康フォローアップセンター」に登録した上での自宅療養を要請しています。症状が重い場合には、発熱外来の受診などを検討するよう促しています。
発熱外来などへの受診に関して、分からないことや迷うことがあれば、受診・相談センターなどの電話相談窓口を利用しましょう【表3参照】。小児科医や看護師に相談できる小児救急電話相談(#8000)や、救急車を呼ぶべきか専門家の助言を受けられる救急要請相談(#7119)も開設されています。
■必要な備え
電話相談窓口を確認
「抗原キット」や解熱薬など用意
各家庭の備えも大切です【表③参照】。症状が出た時に感染の有無を確認し、自宅療養もできるよう、抗原検査キットや解熱鎮痛薬、1週間分の食料を事前に用意しておくと安心です。
抗原検査キットには精度が極めて低いものもあります。国が承認した「体外診断用医薬品」または「第1類医薬品」と表示されているものを使用しましょう。薬局などで購入できるほか、無料配布している自治体もあります。
また、帰省や旅行の行き先も含めて、各地の電話相談窓口などを確認しておくことも大切です。厚労省のホームページでは、各都道府県の受診・相談センターの連絡先などを公表しています。