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家計、中小の負担を軽減
出産一時金50万円に増額
電気・ガスなど総額4.5万円(来年1~9月)支援
予算、税制に公明の主張反映
高木政調会長に聞く
高木陽介政務調査会長
23日に閣議決定された2023年度の当初予算案と税制改正大綱、2日に成立した22年度第2次補正予算には、公明党の主張が随所に反映されています。高木陽介政務調査会長にポイントを聞きました。
■物価高
――まず物価高対策は。
高木陽介政務調査会長 エネルギー価格の高騰に家計や企業が苦しむ中、政府の背中を強く押し、電気・ガス料金の思い切った負担軽減策を勝ち取りました。
具体的には、標準的な世帯の場合で電気料金を月2800円程度、都市ガス料金を月900円程度軽減するほか、ガソリンなど燃油への補助金を23年1月以降も継続することにより、23年1~9月で総額4万5000円程度の負担軽減を図ります。
――特に強調する点は。
高木 当初、岸田文雄首相が表明した負担軽減策には、ガス料金への言及がありませんでした。そこで山口那津男代表を先頭に訴え続け、ガス料金への支援が実現。地方で利用が多いLPガス(プロパンガス)に対する価格抑制も行います。
また、負担軽減を実感できる対策として、毎月届く、電気や都市ガスの明細書などで値引き分を確認できるようにしました。
■子育て
――子育て支援策の目玉は。
高木 23年4月に「こども家庭庁」を創設し、子ども・子育て政策を強化します。また、公明党が22年11月に発表した「子育て応援トータルプラン」で掲げた施策の一部が早速、実現しています。
例えば、出産育児一時金が23年4月から50万円に増額されます。8万円の引き上げ幅は過去最大です。出産育児一時金は、公明党の推進で1994年に創設され、その後も増額を重ねてきた、代表的な子育て支援実績です。
また、手薄だった0~2歳児への支援が充実します。2022年4月以降に生まれた子どもを対象に、①妊娠期からの伴走型相談支援②妊娠時と出産時に計10万円相当を給付する経済的支援――を一体的に行います。
――不登校の子どもたちの数が過去最多です。
高木 事態を重く見ています。スクールカウンセラーを全ての公立小中学校に配置させ、柔軟な教育課程を組める不登校特例校の全都道府県・政令市への設置も加速させます。
■事業者
――コロナ禍と物価高の“二重苦”に直面する中小企業に対しては。
高木 公明党は現場の声を受け、差し迫った二つの課題にしっかり手を打ちました。
まず、資金繰りを支える“命綱”となった、実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」についてです。返済開始が23年7月以降、ピークを迎えることから、その負担を軽減するため、低率の保証料で借り換えできる、新たな資金繰り支援を設けます。
もう一つは、事業者が品目ごとに消費税率を記載するインボイス(適格請求書)制度が23年10月に始まることに伴う支援です。小規模事業者やフリーランスなどの免税事業者が課税事業者に転換する場合、消費税の納税額を3年間、売上税額の2割に軽減します。
物価高の克服に欠かせない、継続的な賃上げの実現に向け、賃上げと設備投資を行う中小企業を支援する「業務改善助成金」を拡充します。
■防災
――防災対策は。
高木 公明党が訴える“防災・減災が主流となる社会”の実現を急ぎます。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(21~25年度)に基づき、インフラの老朽化対策などを一層推進。地域の防災力を高めるため、局所的な豪雨をもたらす線状降水帯の予測精度を向上させるほか、気象災害予測などを専門に行う「気象防災アドバイザー」を拡充します。
また、家屋の損壊など災害被害額を所得から差し引き、減税効果を生む雑損控除について、公明党の粘り強い主張により、「特定非常災害」においては、繰越控除できる期間を現行の3年から5年に延長します。
■脱炭素
――脱炭素については。
高木 50年までの温室効果ガス排出実質ゼロへ、22年度当初予算で創設した、自治体向けの「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」などを、400億円(22年度第2次補正予算50億円、23年度当初予算案350億円)に倍増させました。太陽光パネルや蓄電池などの整備を全国に広げる“追い風”となることが期待されます。
若者・子育て世帯を対象に、省エネ性能の高い新築住宅の購入や、既存住宅の断熱性向上のリフォームなどを新たに支援します。