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2018年5月16日

所有者不明農地/担い手が借りやすい制度に期待

高齢化や人口減少が進み、所有者が分からないままの土地が各地で問題化している。

農地も例外ではない。全農地の2割に当たる93.4万ヘクタールもの農地が、未登記または登記されているかどうか不明な状態となっている。

これは、相続が行われるたびに農地の所有権が細分化していくことが主な要因だ。このままでは遊休農地が増え、農業の衰退を招きかねない。“国の基”である農業を守る上で、所有者不明農地は喫緊の課題である。

このため今国会で成立したのが、農業経営基盤強化促進法などの改正法だ。

最大の柱は、所有者不明の農地を、意欲ある農家や農業法人などの担い手が借りやすくしたことである。

担い手が所有者不明農地を利用する場合は、農地中間管理機構(農地バンク)が仲介役となって担い手に貸し付ける形を取っている。

ただ、所有者が複数いる農地の場合は半数以上の所有者の同意が必要なことや、農地の貸付期間が長くても5年に限られていたことが、バンクの利用をためらわせていた。

実際、「所有者が多過ぎて特定し同意を得るまでに多大な労力とコストを要する」「同意を得られても、土作りなどに数年かかるので貸付期間の5年は短過ぎる」といった不満は少なくない。

そこで今回の法改正では、所有者の半数以上の同意という条件を大幅に緩和し、例えば、固定資産税を納めているような実質的な所有者が1人でもいれば、貸し付けできるようにした。また、貸付期間も最長20年に延長した。

いずれも担い手の要望に応え、農地バンクの利便性を高めるための制度見直しだ。所有者不明農地の利用が促進されることを期待したい。

まして農家の高齢化や農業の就業人口の減少が進む中である。大規模農家や農業法人が所有者不明農地を積極的に活用し、農地の集積化が進めば、遊休農地の増加に歯止めをかけるだけでなく、農業の生産性向上や国際競争力の強化にもつながるであろう。

20年の貸付期間が終了した後の対応など議論すべき課題も残っている。担い手が安心できる環境づくりをさらに進めたい。

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