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食品ロス削減「きっかけは公明新聞」
麺の切れ端を困窮世帯へ寄付
党員の善意、議員が橋渡し
福井・坂井市
「食べられるのにもったいないと、長年気掛かりでした」――。福井県坂井市で製麺会社を営む公明党員・友吉俊幸さん(71)は、乾麺の製造過程でどうしても生まれてしまう「切れ端」の処分に頭を悩ませてきた。
そんな折、今年6月10日付の本紙1面の記事に目が留まった。それは、公明党食品ロス削減推進プロジェクトチーム(座長=竹谷とし子参院議員)が実施した農林水産相への要望。食品事業者に対し、やむを得ず余る未利用食品をフードバンクや子ども食堂などへの寄付することを促す内容だった。記事を読んだ友吉さんは「これだ!」と膝をたたいたという。
友吉さんはすぐさま、公明党の永井純一市議に「余った食料を寄付したいが、どうすれば良いのか」と相談。その後、永井市議は友吉さんと市担当者をつなぎ、月に1回、約1000食分の乾麺の切れ端を市担当者が製麺所まで受け取りに行くことが決まった。市が受け取った後、市社会福祉協議会を中心に仕分けられ、生活困窮者やフードバンクなどに提供されている。
善意の申し出に、市福祉総務課の間海洋一郎主任は「就労支援活動の一環として、ひきこもりの若者が梱包するなど、自立に向けた訓練にも役立っている」と感謝の意を表す。
長年の懸案がスッキリした友吉さんは「公明新聞がきっかけとなり、行動に移すことができた。これからも、紙面の中で参考にできる記事は活用していきたい」と笑顔を見せた。