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北斗七星
独自の視点から地域再生に挑む企画を数年間担当していた。中でもあの取材は8年余りたった今も、鮮明に刻まれている。島根県の離島・海士町である◆人口が流出し、公共事業頼みの町政は財政破たん寸前まで追い込まれていた。平成の大合併も議論に上るがノーを選ぶ。町は生き残りを掛けて2004年3月、守りと攻めの「町自立促進プラン」を策定した◆「守り」は町長の給与カットをはじめとする徹底した行財政改革。「攻め」は地域資源を生かして産業と雇用を生み出す作戦である。覚悟を決めた町長と役場幹部の信頼関係は抜群だった。町の再生にかける役場の本気度は町民にも伝わっていた◆当時から始めた岩ガキの養殖は、今や町の代表的な特産品である。生産には移住者も携われる仕組みにした。将来を見据え、「島留学」などの教育事業にも力を注ぐ。町の取り組みが功を奏し、これまで600人超が移住し半数近くが定着している◆本社を長崎・佐世保に置く「ジャパネットたかた」の創業者・高田明氏は「地方創生の先進地では、パッション(情熱)を持った人がアクション(行動)を起こして街づくりを進めている」(9日付、読売)と語る。ハンデがあっても信頼と情熱のあるところに道は開ける。その実例だから忘れることができないのだろう。(広)









