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2022年12月6日

【主張】無形遺産に「風流踊」 伝承の取り組みに弾みつけたい

盆踊りなどの民俗芸能「風流踊」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されることが決まった。

24都府県41件の一括登録であり、各地で風流踊の伝承に努めてきた関係者とともに快挙を喜びたい。

風流踊とは、衣装や道具に趣向を凝らし、歌や笛、太鼓などのはやしに合わせて踊る盆踊りなどの民俗芸能のことで、数百年以上前から伝わる。庶民の暮らしが育んだ芸能文化といえよう。

登録が決まった41件は、全国的に知名度の高い「郡上踊」(岐阜県郡上市)や「西馬音内の盆踊」(秋田県羽後町)などで、いずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている。

ユネスコは各地の風流踊について、「全ての年代とジェンダーの人々を結び付けるネットワークを促進し、コミュニティーへの帰属意識を育む」と指摘し、新型コロナウイルスの感染拡大のような非常時には「困難を乗り越えるための助けとなる」と強調する。

文化的な意味だけでなく社会的な機能も評価されたことは注目に値しよう。

伝統の継承に取り組んできた各地の関係者からは、これまでの努力が報われた喜びの声が上がっている。外国人旅行客を含めた誘客の好機と受け止め、地域活性化につなげたいとの思いも強い。政府は情報発信を強化し、各地の取り組みを後押ししてもらいたい。

忘れてならないのは、無形文化遺産を将来にわたって維持・保存していくことだ。

指導者の高齢化や担い手不足といった課題は各地が共通して抱えている。道具の補修や管理のための費用負担の問題もある。

文化庁は、毎年度、地域文化財総合活用推進事業を実施しており、地域の伝統行事や民俗芸能などの無形文化遺産に対して補助金を交付し、人材育成や普及啓発活動を支援している。

さらに、今回の登録決定を若い人の関心を集めるチャンスと捉え、伝承の取り組みに弾みをつけることにも知恵を絞ってほしい。

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