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安心広がる 災害公営住宅
熊本地震3年 “ついのすみか”整備進む
砥川第一団地で片倉さん(右)と懇談する吉村町議=熊本・益城町
熊本地震(前震)の発生から、あす14日で3年。熊本県内の被災12市町村では今、公明党が推進してきた災害公営住宅の建設が、急ピッチで進んでいる。2度の震度7に見舞われた益城町飯野地区には今年1月、砥川第1団地が完成した。公明党の吉村たけふみ町議(町議選予定候補)は5日、安堵に包まれた同団地を訪れ、住民と懇談した。=熊本地震取材班
公明が後押し
「やっと、“ついのすみか”に入居することができ、ほっとしている」。3月、同団地に入居した片倉美知代さん(64)は胸をなで下ろした。
砥川第1団地は、2LDK8戸と3LDK2戸の計10戸で構成。トイレや風呂には手すりが施され、長く住み続けても安心だ。
片倉さんは、地震発生直後から同町内のみなし仮設住宅に身を寄せていたが、既に2年の入居期限を経過。期限延長の申請をするなど、不安な日々を送っていた。そうした中、住み慣れた地に完成した災害公営住宅は“希望の光”になったという。片倉さんは「ゴールデンウイークに子どもや孫が遊びに来る。待ち遠しい」と、笑みをこぼしていた。
熊本地震から3年。被災地ではいまだ、仮設住宅など7304戸に1万6519人が暮らす(3月31日現在)。
公明党議員は発災直後から、被災地を奔走。生活再建の土台となる恒久的な住まいを確保できるよう、国や県に早急な対策を訴えてきた。
これを受けて県は2016年12月、災害公営住宅の建設や、宅地復旧の推進を明記した「熊本復旧・復興4カ年戦略」を策定。現在、同戦略に基づき、県内12市町村に1717戸の災害公営住宅の整備が進む。3月末までに10市町村で3分の1弱に当たる496戸が完成した。
一方で、建設業界の人手不足の影響も受け、完成時期がずれ込むのではないかとの声も聞かれる。県住宅課の今福裕一審議員はそうした不安に対し、「あと1年で県内全ての災害公営住宅を完成させられるよう、全力で(建設主体である)市町村を支援していく」と強調する。
コミュニティー
づくりに不安も
災害公営住宅では、コミュニティーづくりなど課題も浮き彫りになっている。
南阿蘇村立野地区に今年3月に完成した「馬立団地」(40戸)。入居した高齢男性は、見知らぬ居住者ばかりの中で、「近隣と本当に仲良くできるだろうか……」と不安を隠さない。村建設課は今後、集落支援員が中心となって交流会を開催するなど、住民同士のコミュニティーづくりを側面から支援していく考えだ。
「町民の住まい確保を最優先に、きめ細かい支援を強化していく」と吉村町議。“最後の一人”が生活再建できるまで、被災者に寄り添う公明党の取り組みが続いている。