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2022年12月4日

旧統一教会問題 被害防止へ法整備急ぐ

今国会で成立めざす 
石井幹事長に聞く

政府は1日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を巡り、不当な寄付の勧誘による被害を救済し、再発を防ぐための新法の法案を閣議決定しました。法案の正式な名称は「法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律案」です。政府は既に国会に提出済みの消費者契約法と国民生活センター法の改正案と共に、今国会での早期成立をめざしています。公明党の石井啓一幹事長に、今回の法整備の背景や対策のポイントなどについて聞きました。

法整備の背景は
「霊感商法」や高額献金
社会問題化への対策必要

――問題のきっかけは。

旧統一教会を巡る不当な勧誘による高額な献金被害がクローズアップされたことがきっかけです。旧統一教会については、1980年代から90年代にかけて、既に「霊感商法」などが社会問題化していました。ここ数十年は、鳴りを潜めているように思われましたが、今年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件を契機に、被害の実態が改めて浮かび上がってきました。

特にひどいケースでは、借金や自宅処分などをしてまで、旧統一教会に多額の寄付を行い、生活が破綻する被害が確認されています。親の寄付が原因で子どもが進学を断念したり、精神的に追い詰められたりする事例も明らかになりました。

このため、被害の救済と再発防止に向けた対策が急務です。

どう対応するのか
悪質な寄付勧誘を規制
禁止行為定め罰則明記

――対策のポイントは。

現行法の消費者契約法と国民生活センター法を改正するとともに、新法を制定し、対策を講じます。

消費者契約法の改正では、霊感などによる告知を用いた勧誘に対する取り消し権の適用要件を拡大し、行使期間も最長10年に延長するなど使いやすくします。国民生活センター法では、裁判外紛争解決手続き(ADR)の迅速化を図り、相談機能を強化します。

取消権の行使も

――新法では。

新法の柱は、個人から法人などへの寄付を対象に、霊感を用いて不安をあおり個人を困惑させる行為のほか、借金などによる資金調達要求を禁止し、命令違反などに対する罰則を設けることです。寄付の取り消し権も、消費者契約法改正案と同様に、最長10年は行使可能としました。

特に勧誘の際の禁止行為を明確に定めたことは大きなポイントです。具体的には、▽退去の求めに応じない▽勧誘を受ける人を退去させない▽霊感を用いて不安をあおる――などの六つです。これにより悪質な寄付勧誘を行う団体を取り締まることができ、違反すれば罰則を適用できます。

――野党からマインドコントロール(洗脳)を定義すべきとの声もあります。

人間の心の状態を法律で規定することは極めて難しく、第三者がその状態にあると認定することも困難です。しかし野党の主張も踏まえ、新法では「個人の自由な意思を抑圧し、適切な判断をすることが困難な状態に陥ること」がないよう、配慮義務を設けました。

配慮義務違反に法的拘束力はありませんが、これに違反した場合、民法上の不法行為と認定されやすくなります。そうすれば、民事裁判による損害賠償請求で寄付金を取り戻しやすくなり、被害者にとって大きなメリットです。悪質な寄付勧誘の抑止効果も期待できます。

――寄付額の上限規制については。

上限規制を定めると、寄付先に自らの収入を把握され、より高額な寄付を求められるなど被害の拡大が懸念されます。ただし、過剰な寄付は規制すべきです。新法では、借金をはじめ、自宅の売却、田畑や工場といった生計の維持に不可欠な事業用資産の処分による寄付資金の調達要求を禁じました。事実上の“上限規制”と考えます。

被害家族を救済

――家族の被害救済も大事な点です。

子や家族の被害救済については、民法規定である「債権者代位権」の特例を導入し、親などに代わって将来分も含めた生活費などの範囲内で寄付を取り戻せるようにしました。憲法が規定する「財産権」との兼ね合いがありますが、子や配偶者には養育費や生活費を求める権利があります。憲法との整合性を図り、最大限救済できるようにしています。

公明の取り組みは
新法検討へ政府に提言

――公明党の対応は。

被害救済・再発防止をめざす観点から、消費者問題対策本部(本部長=古屋範子副代表)を中心に6回にわたり、被害者を支援している弁護士や有識者などから意見を聴取し、積極的に議論してきました。10月28日には岸田文雄首相に、被害者一人一人に寄り添った相談対応の充実・強化や、再発防止への新法検討を促す提言を提出。今回の法整備のほか、予算措置を通じた相談体制の強化にもつながっています。「公明党が後ろ向き」などという批判は当たりません。

――今後の取り組みは。

新法は与野党協議を通じて野党の意見も可能な限り反映させた実効性ある法案だと考えており、野党の協力も得て今国会で早期成立を図りたい。具体的な結果を出すことが、被害者や国民が一番望むことであり、そこは与野党で一定の合意ができていると思います。政府には法案の趣旨を丁寧に説明してもらいたい。

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