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【主張】中高年のひきこもり 長期化が深刻。世帯単位の支援を
中高年のひきこもりの実態を直視し、対策を急ぐ必要がある。
内閣府は、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せず、自宅にいる40~64歳のひきこもりの人が全国で61万3000人に上るとの推計を公表した。
中高年を対象とした、ひきこもりについての調査は今回が初めてだ。ひきこもりは若者だけでなく、さらに上の世代でも深刻になっているという現場の声を受け、公明党が実施を強く訴えていた。
今回の調査結果の中で、とりわけ深刻なのは長期化である。ひきこもりの期間は7年以上が約半数で、20年超も全体の2割に迫る。当事者や家族の苦悩は、いかばかりか。
50代のひきこもりの子どもの面倒を80代の親が見る「8050問題」が、共倒れのリスクと併せて指摘されているが、今回の調査でも、対象者の3割超が父母に生計を頼っている実態が明らかになった。引きこもる本人だけでなく、世帯単位で支援する視点が重要だ。
まずは、誰にも相談できずに孤立する本人や家族を見つけ出し、支援の手を差し伸べる体制づくりが求められよう。自治体やNPO、福祉関係者などの幅広い機関が連携・協力を進めて孤立に気付き、寄り添うように支える必要がある。
特に、相談に来るのを待たず、当事者の自宅を訪ねるアウトリーチ(訪問)型支援の充実は、社会との結び付きの回復に役立つはずだ。
この点、都道府県を中心に設置されている「ひきこもり地域支援センター」は主導的な役割を果たしてほしい。ひきこもりの人と継続的に関わる「ひきこもりサポーター」の養成も一層進めるべきだ。
ひきこもり状態になるきっかけは「退職」が最も多いという点も見逃せない。中でも、バブル崩壊後の就職氷河期に社会に出て、非正規など不安定な雇用環境に置かれた人は“孤立無業”となる割合が高いことが明らかになっている。
政府は10日、就職氷河期世代を集中的に支援する方針を決めた。就業機会の確保などに取り組み、ひきこもり状態から抜け出せるよう力強く後押ししてほしい。









