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【主張】育児休業給付 フリーランスら対象に制度創設を
子育て支援策の強化に向け、国会で審議中の今年度第2次補正予算案には妊娠・出産時に計10万円相当を給付するための経費などが計上されている。さらに政府は現在、育児休業制度を拡充する方向で検討を進めており、注目したい。
有識者で構成される政府の全世代型社会保障構築会議が24日に開かれ、今後の改革に関する論点整理をまとめた。この中で、育休制度の拡充が示されている。
具体的には、子育て中の自営業者やフリーランスで働く人らを対象にした新たな給付制度を設ける。
現行の育休制度は、雇用保険に加入している正社員らを対象に、賃金の最大67%を育休中に給付するもので、所得税や社会保険料が免除され、手取り賃金では育休前の8割程度がカバーされる。
一方、雇用保険に入っていない自営業者やフリーランスらを対象にした育休中の給付制度はない。働き方が多様化する中、就業形態にかかわらず子育て中の働き手を支える仕組みをつくることは大切だ。
また論点整理では、育休明けに子育てのため時短勤務を選択した正社員を対象にした給付の創設や、育休後の円滑な職場復帰に向け、保育所入所枠を事前に確保できる予約システムの構築なども明記された。
これらの施策について政府は、実施時期を盛り込んだ中長期の改革工程表を年内に作成し、必要な法改正に着手する方針だ。
育休制度について公明党は、これまでに給付水準のアップや取得期間の延長などを推進。現在、さらなる制度拡充を主張している。
10月7日の参院代表質問では山口那津男代表が、育休給付の対象外となっている人がいることを踏まえ、「誰もが安心して出産・子育てをできるよう、新たな支援の仕組みを検討すべきだ」と訴えた。
また今月8日に発表した「子育て応援トータルプラン」でも、党としてフリーランスらを対象に給付制度の創設を検討すると明記した。政府の取り組みを、しっかり後押ししていく。