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2022年11月27日

コロナ 初の国産飲み薬(ゾコーバ)承認

あすから本格的に医療現場へ 
公明、早期実用化を後押し

新型コロナウイルス感染症の初の国産飲み薬「ゾコーバ」が22日に緊急承認されました。重症化リスクにかかわらず軽症の段階から服用できるのが特徴で、公明党が早期実用化を強力に後押ししました。あす28日から医療現場への本格的な供給が始まる同飲み薬の効果や意義をまとめるとともに、識者の見解を紹介します。

ゾコーバは塩野義製薬が開発し、ウイルスの増殖を抑える作用があります。12歳以上を対象に1日目は3錠、2~5日目は1錠で計5日間服用。発症から3日以内に飲む必要があります。

最終段階の臨床試験(治験)では、▽倦怠感▽熱っぽさ・発熱▽鼻水・鼻づまり▽喉の痛み▽せき――という、オミクロン株に特徴的な五つの症状が消えるまでの時間が1日(約8日から約7日に)短縮する効果がみられました。

また、重症化リスクと関係なく、軽症段階から使える利点があります。

一方、妊婦や妊娠の可能性のある女性については使用できず、高血圧の薬など併用できない薬が36種類あります。

政府は100万人分を確保し、あす28日から医療現場に本格的に供給する予定です。患者の費用負担は当面ありません。

公明党は今年2月の衆院予算委員会で、岸田文雄首相から「あらゆる手法の活用を視野に迅速に審査したい」との答弁を引き出すなど、国産飲み薬の早期実用化を強力に後押ししてきました。

同月に承認申請されたゾコーバは、5月に導入された、緊急時に限り有効性が推定できれば速やかに承認する緊急承認制度の適用第1号です。7月の厚生労働省の専門家会議では、緊急承認の前提となる了承が得られず継続審議になりました。しかし今回、デルタ株からオミクロン株への置き換わりを踏まえ、変異に応じた審査の必要性を訴えた公明党の主張に沿った形で、オミクロン株に特徴的な症状の改善効果が考慮された結果、承認に至りました。

薬の確保についても、公明党は昨年9月、国内外で開発中の飲み薬が実用化された際の国費買い上げを提言し、当時の官房長官から「抜かりなくやりたい」との返答を引き出していました。さらに今年3月14日の参院予算委で早期確保を要請し、同25日には政府が塩野義製薬と承認後に100万人分購入することで基本合意していました。

■軽症~重症、広がる治療の幅

軽症・中等症患者向けのゾコーバが承認されたことにより、3年近く続くコロナとの闘いで、新たな“武器”を手に入れることができました。

国産飲み薬があることで、海外産の輸入に過度に頼らずに済み、安定供給する体制が強化されます。また、従来ある点滴薬と比べ、飲み薬の場合は通院や自宅で治療できるため、病床逼迫の回避など医療機関の負担も軽減されます。

コロナ治療について公明党は、重症・中等症・軽症の各症状に応じた薬が利用できるよう、優先順位を決めて取り組み、治療の幅を広げてきました。まずは、重症者の命を守るため、レムデシビルを活用するよう、いち早く訴えた結果、2020年5月に国内初のコロナ治療薬として特例承認されました。

続いて国民全員分の海外ワクチンの確保、重症化を防ぐ中和抗体薬の種類と対象の拡大を実現し、さらに軽症者に使える飲み薬の確保などを進めました。

長崎大学大学院 迎寛 教授

症状改善を早める効果

コロナ感染第8波が懸念される中、ゾコーバの承認は治療の選択肢を広げる大きな意義があります。

二つの海外産飲み薬は、重症化リスクの低い患者には使えず、自宅療養している患者から同居者が感染し、重症化する恐れがありました。軽症者にも使えるゾコーバの登場で家庭内感染を防ぐ効果もあればいいと期待しています。国産だからこそ国内で安定供給できる強みもあります。

また、症状の改善が1日早まるというゾコーバの効果は、抗インフルエンザ薬のタミフルと同程度であり、患者にとって十分な安心材料になります。加えて変異株の影響を受けにくい抗ウイルス薬としての特徴も強調しておきたい。一方、まだこの薬の効果に対するエビデンス(科学的根拠)は少なく、今後の蓄積・構築が必要と思われます。

私は、ゾコーバの治験に医学専門家として携わる中で国民の命を守ろうと奔走する公明議員を事あるごとに見てきました。今回の承認には公明党の貢献も大きかったと評価しています。

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