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2022年11月23日

「がんばろう!事業」で商店街が元気に

“集客の目玉”づくりへ 
政府、1団体で最大440万円補助

長引くコロナ禍で打撃を受けた商店街を支援する、国の「がんばろう! 商店街事業」が10月11日から始まった。停止していた「Go To 商店街事業」が新しい名称になって再開されたもの。採択された全国の商店街は現在、感染対策を徹底した上で、イベント開催や商品開発など“集客の目玉”づくりに向けた取り組みを行い、徐々に活気づいている。

■埼玉・春日部市 コロナ禍で失ったにぎわい取り戻す

埼玉県春日部市の中心地に位置する東武鉄道の春日部駅東口を出ると、昔ながらの飲食店などが立ち並ぶ商店街が見えてくる。

「どこかほっとする温かい雰囲気が商店街の魅力。コロナ禍で失われた街のにぎわいを取り戻したい」と意気込むのは、「春日部駅東口駅前商店会」の武井良明会長(58)だ。

武井会長は商店街を盛り上げようと、隣の商店街「上町一番街振興会」と協力し、国の「がんばろう! 商店街事業」を活用した試みを今月中旬から始めた。同事業は、コロナ禍に対応したイベントや商品開発などを行う商店街に、1団体当たり最大330万円を補助するものだ。

同事業はもともと、2020年10月に募集が始まった「Go To 商店街事業」が前身。コロナの感染拡大の影響で同12月以降、停止を余儀なくされていたが、先月より名称を現行の事業に改め、再スタートした。採択済みの719件のうち未実施分を「第1弾」として再開するとともに、「第2弾」(既に募集終了)では、1団体当たりの補助額を最大440万円として順次、実施する。

商店街の店先で、完成したボードゲームを手に微笑む武井会長=今月15日 埼玉・春日部市

商店街を模したオリジナルボードゲーム

地元舞台のゲーム配布

春日部市の両商店街の取り組みは「第1弾」に当たり、テーマはゲームとアート。目玉は、両商店街を舞台にしたオリジナルボードゲームの作成だ。約20年前の街並みが再現された盤上で、プレイヤーはサイコロを振ってマス目を進め、商店街に自分の店を出していく。昔を懐かしみ、親子3世代で楽しめるのが魅力だ。両商店街の店舗で計5000円分の買い物をするともらえる。

武井会長は「幼少期を春日部で過ごした30~40代のファミリー層に、また来てほしいと思って企画した」と狙いを話す。

市在住の画家の絵画を街路灯と商店に展示する企画や、店先のポスターに掲示された謎を解いた人に景品を贈呈する「リアル宝探し」も順次始まる予定だ。

地元食材の活用、スタンプラリー…創意工夫し多彩な催し

「消費者や生産者との接点を持つ商店街が盛り上がれば、地域の活性化につながる。地元の良さを再認識し、広げるきっかけになれば」。がんばろう! 商店街事業PR事務局の担当者はこう期待を寄せる。同事業を活用し、創意工夫を凝らした多彩な催しが春日部市だけでなく全国各地の商店街で行われている。

多くの来場客でにぎわう「盛岡大通りパラダイス2022」=先月30日 岩手・盛岡市

■岩手・盛岡市

盛岡大通商店街協同組合などの団体は10月29、30日、地元の食材を生かしたイベント「盛岡大通りパラダイス2022」を開催。三陸産ホタテの無料提供や岩手三陸ラーメン祭り、子どものわんこそば大会、地元アーティストによる音楽ライブなどを行った。

同組合の中村正樹事務局長は「特設会場には、想定を超える約1万2000人が来てくれた。今後も、コロナ禍に負けずに商店街を盛り上げたい」と意気込む。

■香川・高松市

日本一長いアーケードがある高松中央商店街では今月21日から、同事業の一環で、商店街全体をスタンプラリー会場としたガラポン抽選会を約20年ぶりに復活させた。

コロナ対策として、スタンプラリーには専用のスマホアプリを使用。アプリ登録店で買い物などをしてデジタルスタンプを三つ集めると、商品券などがもらえる抽選会に参加できる。

公明、買い物需要の喚起を推進

公明党はこれまで、各地の商店街の視察や関係者との意見交換を繰り返し行い、商店街での買い物需要の喚起策の充実を一貫して推進してきた。

昨年8月には、党経済産業部会が政府に今年度予算概算要求などに向けた重点要望を行い、従来の「Go To 商店街事業」の見直しや拡充を主張。今年3月にも、石井啓一幹事長らが岸田文雄首相に対し、商店街での需要喚起事業の実施を提言していた。

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