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2022年11月17日

広げよう!脱炭素の街づくり

独立電力網(マイクログリッド)で需給最適化 
太陽光、消費の5割をカバー 
さいたま市の事例から

「脱炭素」を掲げ、エネルギー自給率5割以上を達成しているのが、さいたま市緑区にある「浦和美園スマートホーム・コミュニティ街区(第3期)」だ。同市と企業が官民連携で先進的モデルとして整備を進めるエリアで、国内外から視察が相次ぐ。同街区の取り組みを紹介する。

東京都心から25キロメートル圏に位置する、さいたま市緑区の「美園地区」にある同街区は今年2月に完成したばかり。再生可能エネルギー(再エネ)を最大限利用するため、株式会社Looopと連携して、全51戸の屋根に太陽光パネルを設置した上で、街区内を独立した電力網でつなぐ「マイクログリッド」が整備されている。

通常、太陽光で発電した電力は各家庭で使われるか蓄電され、自家消費されるが、ここでは太陽光で発電した電力を街区内にある「チャージエリア」に集めてから、各家庭の需要に合わせて再配分する。

余った電力はチャージエリアの大型蓄電池と2台の電気自動車(EV)にためるほか、各家庭でも活用。ハイブリッド(電気・ガス併用型)給湯器でお湯を沸かして保温タンクにためて使う。電力の需要が多いときには、蓄電池から各家庭に供給し、街区全体で電力を融通し合う。EVは平日は蓄電池として機能し、休日は住民が利用できる。

浦和美園スマートホーム・コミュニティ街区のチャージエリア

Looopの担当者は「日中に電気を使う世帯があれば、朝と夜しか使わない世帯もある。各家庭を束ねて地域全体で需要と供給を“ならす”ことで最適な電気の使い方ができる」と強調する。

こうした仕組みを構築した結果、消費電力の半分以上を太陽光発電でカバーできるようになった。不足分についても再エネ由来の電力を購入することで、同街区の再エネ使用率は実質100%となっている。

住民の行動変容促す

さらに同街区では、電力供給に余裕がある時間帯ほど電力料金が安くなることで、住民の行動変容を促す「ダイナミックプライシング(変動料金制)」を導入している。各家庭にある専用端末を通じて毎日19時に、翌日の各時間帯の料金単価が知らされ、住民自ら電力需要の平準化に協力する仕掛けだ。

なお、災害など停電時には、蓄電池とEVが非常用電源となる。「夜間や雨天時でも6時間程度は持つ」(市担当者)という。

「欧州でもカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)は建物やビル単位から街区単位へと移りつつある」。脱炭素の街づくりに詳しい地球環境戦略研究機関の中野綾子・都市タスクフォースリサーチマネージャーはそう指摘した上で、「自治体などが脱炭素化の取り組みに踏み出せるよう、国はモデルとなる地域の事例を積極的に発信してもらいたい」と訴える。

政府、「先行地域」100カ所創出へ

地球環境問題が深刻化する中、世界的に脱炭素化の流れが加速している。日本でも2020年10月に菅義偉首相(当時)が、公明党の提言などを受けて「50年カーボンニュートラル」を宣言した。

目標達成には産業界のみならず、各家庭や地域での温室効果ガス排出削減が重要になる。政府は21年6月、30年度までに脱炭素を先行的に達成する地域(脱炭素先行地域)を100カ所以上設けて、全国に波及させていく道筋を示した「地域脱炭素ロードマップ」を策定した。

環境省は「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を創設し、再エネ設備や基盤インフラ設備などへ投資する自治体に、使い勝手の良い形で複数年にわたる補助を今年度から開始。予算規模は200億円で、来年度の概算要求は倍増の400億円を要求している。

公明、予算倍増後押し

現地を視察する山口代表(右から2人目)ら=6月4日 さいたま市

公明党は“環境の党”として長年、温暖化対策をリードし、50年カーボンニュートラル達成に向けた取り組みを一貫して後押ししてきた。

山口那津男代表は6月4日、さいたま市緑区の「浦和美園スマートホーム・コミュニティ街区」を、公明党の国会議員や地元の市議らと視察。党環境部会は8月9日、環境省に来年度予算の概算要求に向けた申し入れを行い、同街区のような取り組みに活用できる「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を倍増するよう要請した。

さらに10月7日の参院代表質問で山口代表は、同街区の取り組みに触れた上で「このような先進的で質の高いモデルを全国に波及させるべきだ」と力説した。

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