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コロナ禍克服に挑む中小企業を応援!
国が補助金で後押し
コロナ禍や物価高騰の影響で多くの中小企業が打撃を受けています。こうした中、公明党の推進で、業態転換や生産性向上に挑む企業を支援する国の補助金制度などが創設・拡充されています。先月28日に決定した政府の総合経済対策でも、さらなる拡充が盛り込まれました。現在実施中の主な制度の概要とともに、補助金を活用して新事業を展開する企業を紹介します。
コロナ禍で売り上げが減少した企業が、新分野展開や業態転換に挑む際に支援するのが「事業再構築補助金」です。通常枠は、2020年4月以降の連続する6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高がコロナ以前と比べ10%以上減少していることなどが条件です。補助額は従業員数の規模によって異なり、上限2000万~8000万円。原油・物価高の影響を受けた企業を支援する緊急対策枠も設けています。
また、生産性向上をめざし、新製品やサービス開発に必要な設備投資などを幅広く支援するのが「ものづくり補助金」。補助上限額1250万円の通常枠とは別に、温室効果ガス排出削減に向けた企業の取り組みを支援するグリーン枠(補助上限最大2000万円)なども用意されています。
業務効率化へITツールの導入を支えるのが「IT導入補助金」。来年10月から始まるインボイス(適格請求書)制度への対応を見据え、会計ソフトや受発注システムなどの導入補助だけでなく、パソコンやタブレットの購入も上限10万円(補助率2分の1)で補助されます。
販路開拓に取り組む小規模事業者には「持続化補助金」がおすすめです。チラシの作成や広告掲載、店舗の改装などの費用の一部を支援。補助金を活用した事業者から好評です。
賃上げ実施で支援の拡充も
これらの補助金には、従業員の賃金上昇に取り組むと、補助上限を拡充する特別枠を用意。さらに、今回の総合経済対策では賃上げのインセンティブ(誘因)を一段と強化し、賃上げに取り組む中小企業を強力に支援します。
このほか、中小企業の賃上げをサポートする支援制度として、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げ、設備投資などを行った中小企業・小規模事業者に、その費用の一部を助成する厚生労働省所管の「業務改善助成金」も活用できます。
制度の詳細は 総合情報サイトの「ミラサポ」検索を
中小企業・小規模事業者向けの国や自治体の支援制度を詳しく知りたい人は、補助金などの情報を提供する中小企業庁のポータルサイト「ミラサポplus」が便利です。事業の目的などを選択して、支援の内容を検索し、受けられる可能性のある制度を知ることができます。また、支援制度の活用例もまとめて掲載されています。
■大阪・東大阪市の印刷会社 新事業開拓へ自動化機械を導入
新たに導入した封入封緘機について説明する高本社長=大阪・東大阪市
「補助金を活用し業態転換に挑戦できた」―。こう語るのは、大阪府東大阪市内で商品パッケージや商業印刷などを手掛ける株式会社TOWA(社員数75人)の高本禎郎代表取締役社長。コロナ禍でデジタル化が加速し、印刷業界の存続が危ぶまれる中、今年9月、事業再構築補助金を活用し印刷物を自動で封筒などに入れ、閉じる封入封緘機を導入しました。
これにより、企業が商品やサービスの情報を個人宛に送るダイレクトメール(DM)を封入封緘する事業を新たに展開。封書のDMは、電子メールなどと比べ開封率が高く、購買意欲を促すことができるメディアとして需要があるからです。高本社長は、受注拡大を図るため、「EC(電子商取引)サイトの立ち上げも考えていきたい」と意気込んでいます。
■相模原市の飲食店 カフェ出店で社員が働く場確保
相模原市で昨年、食パンなどの店頭販売とランチ営業を主体としたカフェを開いた株式会社アライブ・フードサービスの新井淳一代表取締役は「昼にカフェをオープンでき、従業員を守ることができました」と喜びに声を弾ませました。
これまで居酒屋など4店舗を市内で夜中心に営業し好調でしたが、コロナ禍で収入が激減。雇用調整助成金などでしのいできましたが「新たな業態に挑戦し、活路を見いださなければ」と一念発起し、事業再構築補助金を申請しました。
社員の中にはカフェ出店で働く時間が夜から昼に変わった子育て奮闘中の女性も。「従業員の仕事への意欲が上がっています」と語る新井さん。従業員と力を合わせ「お客さんを笑顔にできる店をめざし頑張ります」と決意を語っていました。