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2022年11月1日

女性が活躍できる社会へ

党女性委員会と男女共同参画推進本部の合同会議での講演から 
昭和女子大学理事長・総長 坂東眞理子氏

公明党女性委員会(委員長=古屋範子副代表)と党男女共同参画推進本部(本部長=同)は先月、衆院第2議員会館で合同会議を開き、昭和女子大学理事長・総長の坂東眞理子氏から、女性活躍のための課題と今後の政策について聴きました。その講演要旨を紹介します。

課題
「非正規」多い雇用環境

坂東氏(左端)から女性活躍のための課題などについて聴く党女性委のメンバーら

50歳までに一度も結婚したことのない「生涯未婚率」や離婚率が増加傾向にあり、シングルマザーも増えています。昔と比べ、女性の考え方やキャリア形成、人生設計が変化してきているといえます。こうした社会状況の中で、女性が「新しい時代」を生き抜くには、どんなことが起こっても「最終的に自分が責任を持つ」という強い覚悟が求められます。その上で、本題に入りたいと思います。

コロナ禍で深刻な影響

コロナ禍が女性を直撃しました。日本だけでなく、ヨーロッパや米国でも打撃を受け、「シーセッション(女性不況)」と言われています。とりわけ、飲食業や観光業などの“対人サービス”に従事する女性が大きな影響を受けました。加えて、日本では非正規で働く女性が多く、その方々は職場で弱い立場にあります。契約を更新されない、収入が減る、仕事がなくなるなどの被害が女性に多いのは、非正規だったことが大きいと思います。その結果、女性の自殺などが増えたのではないでしょうか。

一方で、保育や介護、教育現場などで働くエッセンシャルワーカーの重要性が認識されるようになりました。しかし、処遇が追い付いていません。

正社員は非正規と違って雇用が維持されました。リモートワークの働き方が進むなど、女性にとってプラスの面がありましたが、家事や子育ての負担が女性に集中するといった課題も浮き彫りになりました。

次に、社会進出における男女平等の度合いを示す指標「ジェンダーギャップ指数」について述べたいと思います。日本は146カ国中、116位(2022年)。特に、政治分野では、女性の国会議員や閣僚の割合が低いのが顕著です。

また経済分野では、女性の管理職や役員比率が低く、中でも強調したいのが男女間の賃金格差です。フルタイム労働者で国際比較すると、経済協力開発機構(OECD)の平均が88.4%なのに対し、日本は77.5%と下回っています。女性の非正規の待遇はさらに厳しく、対策が急がれています。

必要な支援
賃金の引き上げが急務

男女間賃金格差への対応策

必要な政策について説明したいと思います。政府が今年6月に決定した「女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針)2022」に盛り込まれましたが、男女間の賃金格差に対応する政策が重要です。

その一つが、男女間の賃金格差に関する情報の開示です。同時に、非正規の賃金の引き上げ(同一労働同一賃金の徹底)も急務です。さらに、デジタル分野における女性の活躍を支援するべきです。そのためにも、リスキリング(学び直し)の推進が欠かせません。看護、介護、保育などの分野の現場で働く人の処遇改善も必要です。

一方、女性を巡る問題は、子どもの貧困とも関係しています。子どもの約7人に1人は貧困状態にあるといわれています。本質は、母親の経済的困窮にあり、母親が子どもをしっかり養えるよう環境を整えることが根本的な解決策につながると思います。ヨーロッパでは、母親が失業した場合、最初から生活保護を受けさせるのではなく、職業訓練を通じて次の仕事に就けるよう応援します。こうした政策が必要だと考えます。

男性も子育てしやすく

子育てや介護の問題で、大事な点を指摘したいと思います。女性だけでなく、男性も育児や介護の当事者であると、政府は改めて認識すべきです。例えば、国の育児休業制度は、“子どもを持つ女性労働者”を応援するという考え方が色濃いように感じます。先月からは、男性の育児休業取得を促すため、「出生時育児休業(産後パパ育休)」がスタートしていますが、今後も両親ともに仕事と子育てを両立できるよう応援するべきです。

子育ては一人ですると重荷に感じるかもしれませんが、夫婦二人でシェア(共有)すると、こんなに楽しい“仕事”はないと思います。それをサポートする政策を進めてほしいと考えます。

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