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物価高克服し日本再生へ 政府の総合経済対策、決定
光熱・燃油費4.5万円軽減
来年1月以降、電気代2割、ガス月900円
政府は28日夕、臨時閣議を開き、物価高や円安に対応する総合経済対策を決定した。公明党の提言を踏まえ、高騰する電気・ガス料金など光熱費の負担軽減策のほか、子育て支援、賃上げ促進策などを盛り込んだ。財源の裏付けとなる2022年度第2次補正予算案の規模は一般会計の総額で29.1兆円程度となる。
産前から伴走型支援 妊娠・出生に計10万円
総合経済対策は4本柱で、財政支出規模は39.0兆円程度。物価高・賃上げ対策に12.2兆円、円安を生かした「稼ぐ力」の回復・強化に4.8兆円、「新しい資本主義」の加速に6.7兆円、防災・減災など「国民の安全・安心の確保」に10.6兆円をそれぞれ充てる。予備費として4.7兆円を確保する。
閣議決定に先立ち、政府と自民、公明の与党両党は同日午前、首相官邸で政策懇談会を開催。岸田文雄首相は、対策について「足元の物価高や世界経済の下振れリスクを乗り越え、日本経済を再生する」と強調。補正予算の早期編成・成立をめざす考えを示した。
対策では電気料金の軽減に向け、来年1月から標準家庭で現行の2割に当たる月2800円程度(月400キロワット時使用の場合)を支援。都市ガス料金は月900円程度(月30立方メートル使用の場合)を補助し、LPガス(プロパンガス)も価格上昇抑制を図る。ガソリンなど燃油への補助金は継続する。光熱費と燃油価格の抑制策により、来年1月から9月ごろにかけて総額4万5000円程度の軽減をめざす。
子育て世帯に対しては、支援が手薄な0~2歳児に焦点を当て、産前から伴走型の相談支援を充実させるとともに、来年1月1日を基準日として妊娠届と出生届の提出時に計10万円相当を支援。今年4月以降の出産には、支援をさかのぼって適用する経過措置も設ける。
賃上げの促進に向けては、中小企業の事業再構築や生産性向上を後押しする補助金を大幅に拡充。労働者の学び直しへの支援を強化する。子どもの送迎バスの安全対策や、ウクライナ避難民への越冬支援も講じる。
このほか対策には、物価高に対応して地方創生臨時交付金も活用したきめ細かい支援を速やかに行き渡らせると明記。国内旅行の需要喚起策や、肥料を使う農家への支援策なども盛り込まれた。