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2019年4月8日

待機児童解消へ自治体が連携

保育所に入れない待機児童の解消に向け、複数の自治体が力を合わせて対策に当たる広域連携に注目が集まっている。行政区の垣根を越えて保育所の空きを活用できるほか、保育ニーズへの柔軟な対応が期待されている。先進の取り組みを追った。

横浜市、川崎市 “越境”で受け皿拡大
認可外の相互利用へも補助

市境に整備された幸いづみ保育園=川崎市幸区

川崎市幸区の認可保育所「幸いづみ保育園」(齊藤直美園長)は、隣接する横浜市との境目に位置し、通勤による自治体間の往来が激しい地域にある。待機児童のいる子育て世代の住民から、「空きがあるなら隣の市の保育所でも預けたい」との声を受け、両市が共同で整備。2016年4月から受け入れを開始した。

認可保育所への入所は通常、施設のある市区町村に住む人や在勤者が優先されるが、同園は定員90人のうち、横浜市の在住、在勤者用に30人分の受け入れ枠を設けている。

横浜市在住の利用者に話を聞くと、同園は通勤に使う川崎駅までの経路上にあり、立ち寄りやすいため利用を申し込んだという。「隣の自治体の保育所にもかかわらず、スムーズに入ることができて助かりました」と話す。

齊藤園長は、二つの市から子どもを受け入れることについて、「開園から3年がたつが大きな混乱もなく運営ができている」と語っている。

保育需要の急増や、受け皿を整備する土地の確保など、共通の課題を抱えていた横浜市と川崎市は14年10月、「待機児童対策に関する連携協定」を締結。行政区域の垣根を越えた取り組みを開始した。

その一環が、市境の地域を中心とした保育所の共同整備だ。幸いづみ保育園に続き、17年4月には横浜市鶴見区に「尻手すきっぷ保育園」(定員枠は横浜市39人、川崎市20人)が開設されている。

また、両市の認可外保育所の“相互利用”も好評だ。これは隣の市の認可外保育所を利用する場合も、居住する自治体からの保育料の補助が適応されるもの。例えば、川崎市民が横浜市の認可外保育所を利用する場合、川崎市の施設を利用するのと同等の保育料の補助(月額最大2万円)が受けられる。昨年4月までに300人以上がこの制度を利用した。

15都府県に「対策協議会」
人材確保策や先進事例を共有

協議会のイメージ

都道府県を中心に、市区町村や保育関係者が一堂に会する「待機児童対策協議会」の設置が各地で進んでいる。

この協議会は、横浜市と川崎市の取り組みに見られるような広域連携の基盤であり、昨年4月に施行された改正子ども・子育て支援法では、待機児童対策の柱に位置付けられている。20年度末までに約32万人の受け皿整備をめざす政府の「子育て安心プラン」の推進力として期待されている。

協議会で取り上げる議題は、(1)保育人材の確保(2)受け皿整備(3)保育施設の広域利用(4)先進事例の共有――など。保育行政に携わる自治体職員のほか、保育事業者や有識者が参加する。これまでに15都府県が設置した。

秋田県の協議会には、県内にある保育士らの養成校「聖園学園短期大学」から職員の安田敦子さんが参加し、学生たちが抱える待遇面の不安などを訴えた。安田さんは、協議会が「保育士の処遇改善に向けた大切な議論の場になっている」と期待を寄せる。

また神奈川県の協議会では、資格を持ちながら勤めていない“潜在保育士”の活用について集中的に議論し、その結果が予算要求に反映された。潜在保育士が職場復帰しやすいよう短時間から徐々にフルタイムに移行する働き方を支援する補助金制度が、県の19年度事業として新たに始まっている。

公明、充実を後押し

公明党はこれまで、待機児童の解消に全力を挙げてきた。政府が17年度末までの5年間で行った約54万人分の受け皿整備を後押し。保育士の賃金も段階的に引き上げ、今年4月からはさらに1%(月3000円相当)の引き上げを実現し、処遇改善もリードしてきた。

また公明党が推進し、3月末に成立した国の19年度予算には、待機児童対策協議会に参加する自治体への支援策として、保育所の広域利用や潜在保育士の再就職を後押しするための費用などが盛り込まれている。

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