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2022年10月24日

【主張】司法のIT化 民事判決のデータベース構築へ

現在は原則として「紙」の書類と「対面」の法廷で進められる裁判のうち、民事裁判は2025年度からIT化され、書類の「データ」化と法廷の「オンライン」化が実現する。

これを受け法務省は、民事裁判の判決をデータベース化するため、14日から有識者による検討会をスタートさせた。膨大な民事判決情報の公開は、司法の透明性と信頼性を向上させる。国民本位の使いやすいデータベースを期待したい。

裁判所が法律の抽象的な規定を具体的な紛争に当てはめて下した判決は“法律の実像”を示す貴重な資料である。法律の制定も大事だが、その法律がどのように運用されているかを知ることも「法の支配」の実効性確保に不可欠である。そのためには判例を研究するしかない。

しかし、年間約20万件もある民事判決のうち公表されているのはほんの数%。国民が訴訟資料を閲覧することは可能だが、原則として裁判所に出向く必要があり、とても身近に利用できる制度とはいえない。

すでに21年前の01年6月に政府の司法制度改革審議会(当時)は、意見書で判例の提供について「紛争解決の先例・基準を広く国民に示すことは、司法の国民に対する透明性を向上させ、説明責任を明確化する」「紛争の予防・早期解決にも資する」と指摘していたが進展はなかった。

ようやく19年に民事司法制度改革の関係府省庁連絡会議が設置され、20年3月に民事判決情報は①紛争発生前には行動規範となる②紛争発生後には当事者による紛争解決指針の一つとなり得る――と明記、民事判例情報を「社会全体で共有・活用すべき重要な財産」と位置付けた。

判例を研究することで、例えば類似した事件でどの程度の損害賠償が認められたかが分かれば、訴訟の準備に役立つ。また、将来的に民事判決がビッグデータとして分析できるようになれば人工知能(AI)による紛争解決の支援にもつながる。司法の可能性を広げる検討を求めたい。

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