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第14回 公明党全国大会 質疑(要旨)
25日の第14回公明党全国大会では、代議員の地方議員が質疑を行い、党幹部が答弁した。要旨を紹介する。
綱紀粛正、党勢拡大
新たな政治倫理規範の策定に向け党内で検討
西本恵一・福井県議 熊野正士参院議員のセクハラ報道により、党員、支持者に大きな不信感を与え、多大な迷惑を掛けている。特に福井県は、元衆院議員秘書の犯罪行為により、多くの支援者や団体、企業から信用を失った。ようやく、1年間をかけて信頼を回復してきたところに、今回の事件が起こり、ダブルパンチになっている。
関西では5年前に、元衆院議員の女性問題があった時に、関西所属の国会議員と各府県代表が綱紀粛正を誓い合った。その席には、熊野議員もいた。
不祥事のたびに、地方議員や党員、支持者が頭を下げて謝罪しなければならず、このような情けないことは二度と起こしてほしくない。どれだけ党の信頼を失うのか、真剣に考えてもらいたい。
地方議員を含め、国会議員、秘書、職員に対し、改めて綱紀粛正を図るよう強く求める。
議員個人の味方づくり、アクティブサポーター(AS)については、具体的な目標を掲げるべきだ。
石井啓一幹事長 熊野議員を巡る週刊誌報道により、党員、支持者、国民の皆さまに、大変な憤り、落胆、不快感など、さまざまにご心配を掛けていることについて、改めて深くおわび申し上げる。
熊野議員は今も入院が続いており、医師の判断で家族も面会できない状況だ。できるだけ早く本人に事実関係を確認し、事実であれば、党として速やかに議員辞職を求めていく。
週刊誌では、党幹部がセクハラの口封じ・隠蔽をしたと報じているが、全く事実に反する。既に名誉毀損を理由に、損害賠償・謝罪広告の掲載を求めて週刊誌の発行元を提訴しており、一連の報道の虚偽を裁判の中で明らかにしていく。
近年、議員、秘書、職員の不祥事が続いている。二度と同様の問題を起こさないよう、党全体で徹底して綱紀を厳粛に正していく。あらゆる機会を生かして啓発、研修を実施し、その際にはハラスメント(嫌がらせ)防止、コンプライアンス(法令順守)の研修も実施していきたい。
また、2005年11月に公明党政治倫理規範を策定したが、新たな政治倫理規範の策定に向けて党内で検討する。
アクティブサポーターは新たに始めた取り組みなので、実態の十分な把握が必要だ。現時点では全国で一律の目標設定は難しいが、運動を進めた上で改めて検討したい。各県本部で目標設定することは結構だ。
子育て・教育
支援強化めざし年内に「トータルプラン」示す
柳沢真由美・長野県千曲市議 妊娠・出産による離職を防ぎ、2人目の出産を諦めることのない社会の実現へ、出産前後や、0~2歳児を抱える家庭への支援が極めて重要だ。
子育て・教育への経済的支援の充実へ、家庭の事情に左右されず、質の高い幼児教育・保育を受けられるよう取り組みを強化すべきだ。保育士の配置基準も見直すべきだ。奨学金は、返還支援を含めた制度の充実が求められている。
党として策定する「子育て応援トータルプラン」で支援を充実させていく財源は、どう確保する考えか。
高木陽介政務調査会長 年内に子育て応援トータルプランを発表したい。「0~2歳児」の支援は喫緊の課題だ。その上で、妊娠期から一貫した子育ての支援の強化に優先的に取り組んでいく。育児と仕事の両立支援の充実に向けては、育児休業や短時間の勤務制度などが、より利用しやすくなるよう取り組む。
幼児教育・保育の無償化の対象拡大や、保育士などの配置基準の見直し、給付型奨学金の対象拡大、奨学金の返還支援の拡充は、トータルプランに盛り込み、実現に向けて取り組む。
今後、社会全体で費用負担のあり方について国民的な議論を行い、国民の理解・納得を得ながら、具体的な財源確保の方針を検討したい。
核兵器の廃絶
G7広島サミット通じ“被爆の実相”共有進める
渡辺好造・広島市議 党広島県本部は7月、岸田文雄首相へ核軍縮、核不拡散の合意形成へ日本がリーダーシップを発揮すること、来年行われるG7広島サミット(先進7カ国首脳会議)に際して、各国首脳が広島平和記念資料館の見学などを通じて被爆の実相を共有することなどを要望した。同サミットをどう位置付けて取り組むのか。今後の核兵器廃絶への取り組みについても答弁を。
山口那津男代表 岸田首相が8月の核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に出席して発信し、今月の国連総会でも演説を行った。こうした一連の動きには、わが党のこれまでの主張が数多く反映されている。
6月の核兵器禁止条約の第1回締約国会議にわが党から浜田昌良参院議員(当時)を派遣した。同条約では被爆者(核による被害者)支援、環境修復が大きな目標として掲げられ、第2回会議までにワーキンググループを設置して科学技術アドバイザーなどの助けを求めながら進めていく方針が打ち出されている。
同条約の方向性はNPTの体制と相互補完関係にあるということも確認されている。だからこそ、核兵器禁止条約における被爆者支援や環境修復に、わが国の経験が生かされるべきだ。カザフスタンから、朝長万左男・長崎大学名誉教授をアドバイザーとして推薦したいという方向性が打ち出されている。政府に対し、これを支援していくよう強く求めていきたい。
核保有国と非保有国の橋渡しのためにも、同条約の締約国会議へのオブザーバー参加を強く求め、批准に向けての環境整備を行っていきたい。
国際賢人会議(11月開催予定)やG7広島サミットは、わが国が核兵器のない世界を推進していく主導力を発揮する大きなチャンスとなる。関連会合を長崎でも持てるようにして、各国首脳らに広島平和記念資料館、長崎原爆資料館を訪れて被爆の実相を体験してもらい、認識を共有することを推進していきたい。わが党は同サミットに向けた(核兵器廃絶への取り組みの)大いなる推進役として政府を後押ししていく。