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2022年9月25日

県民割が好評、にぎわう観光地

地域ブロック内で旅行代金を割引 
来月11日から全国に対象拡大 
事業者「回復の追い風」

コロナ禍で落ち込んだ観光客の客足回復に向け、近場の旅行に対して1人1泊当たり最大7000円分を支援する「県民割」が好評です。さらに政府は22日、10月11日から県民割の対象旅行先を全国に広げる「全国旅行割(全国旅行支援)」を開始すると表明しました。にぎわう観光地で喜びの声を聞きました。

観光客でにぎわう伊香保温泉の石段街=14日 群馬・渋川市

今月14日、群馬県の伊香保温泉(渋川市)では、名所の石段街を、多くの観光客が訪れていました。埼玉県から訪れた20代の女性は「県民割は本当にお得! 旅のきっかけになりました」と話します。

県民割は、国が都道府県を通じて1人1泊当たり5000円を上限に旅行代金の50%を補助し、飲食店などで使えるクーポン券を最大2000円分付与する仕組みです。コロナワクチンの3回目接種済みなどが利用条件です。観光支援策「Go Toトラベル」の代替として始まり、当初は各都道府県内の旅行が対象でしたが、今年4月から関東など六つの地域ブロック内の旅行に対象を拡大。実施は都道府県が判断し、現在、東京都を除く46道府県が参加しています。

事業者も手応えを感じています。「8月の宿泊は、コロナ前の約8割まで回復し、県民割が追い風になっています」と語るのは、渋川伊香保温泉観光協会の会長で、旅館「お宿 玉樹」を営む関口征治代表取締役。「今が正念場。旅先でしか味わえない“非日常”を多くの人に堪能していただきたい」と意気込みます。

観光需要を一層喚起するため、政府は10月11日から、県民割の対象旅行先を全国に拡大する「全国旅行割」を開始します。

割引率は40%で、公共交通と宿泊がセットの旅行商品は1人1泊当たり最大8000円、宿泊のみは同5000円を補助。これに加え、クーポン券は平日は3000円分、休日は1000円分が付与され、合わせて最大1万1000円の支援額になる見込みです【図参照】。制度の詳細は近く公表される予定です。

■都内のみ使える都民割も人気

下町探検クルーズに参加し、スカイツリーを望む人たち=16日 都内

東京都が独自の事業として行う「もっとTokyo」(都民割)も大人気です。都民を対象に、都内を目的地とした旅行代金の一部を割り引きます。

16日、株式会社ガレオン(江東区)が実施した「下町探検クルーズ」には、多くの参加者が詰めかけました。東京スカイツリーの真下から出航し、荒川に続く河川を遊覧。水門の中で約2メートル船が昇降する“水のエレベーター”体験など、普段は見ることのできない景色に、参加者は驚きを隠せないようでした。

都民割で複数のプランを利用したという女性は「コロナで思うように旅行ができなかった。楽しい体験ができ、うれしい」と語っていました。都民割は10月末まで実施予定です。1人当たり宿泊で5000円、日帰りで2500円が助成されます。

同事業については、都議会公明党が小池百合子知事への緊急要望で実施を求めていました。

東洋大学国際観光学部 越智良典 教授

需要喚起の効果を評価

熊本地震(2016年)や西日本豪雨(18年)などの被災地支援として実施された「ふっこう割」は、旅行代の一部助成により、事業費の3倍~8倍超もの旅行消費額を生み出し、観光業の再生に成果を上げてきました。それを踏まえると、同じような枠組みで行われている「県民割」も、一定の観光需要を喚起する効果を上げていると評価できます。

一方、これまで県民割は適用エリアが限られているため、東京や大阪など大都市圏に住む人たちが全国各地へと旅する需要の掘り起こしに、十分つながっていないのが課題でした。そこで政府が、来月11日から適用を全国に拡大する方針を発表したのは、まさに時宜にかなった対応です。これまでよりもアクセルが踏み込まれ、観光需要の喚起効果が、さらに大きくなると期待できます。

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