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がん患者のウィッグ(かつら)購入に助成
熊本・大津町
「こんなにも早く支援策が決まってありがたい」。熊本県大津町に住む畑中祐房さん(65)、誠津子さん(65)夫妻は口をそろえる。同町は今年4月から、抗がん剤治療などによって脱毛が生じた患者の医療用ウィッグ(かつら)にかかる購入費用の一部助成(上限2万円)を開始。その背景には、「少しでも妻の精神的な苦痛を和らげたい」と願う、祐房さんから相談を受けた公明党の豊瀬和久町議の奮闘があった。
昨年6月の健康診断で異常が判明した誠津子さん。その後の精密検査で、リンパ節への転移を伴うステージⅢの乳がんが見つかった。これまで受けた抗がん剤治療は8回に及ぶ。壮絶な治療を懸命に耐え抜いた結果、乳がんは消滅。今年いっぱいは、再発防止のための治療を続けていくという。
「どんどん抜け落ちていく髪の毛が、治療の苦しさに追い打ちを掛けた」。女性患者の悲痛な声を代弁する誠津子さんは現在、ウィッグを着用して日常生活を送る。とはいえ、その購入費用は種類によって数万円から数十万円と高額で、患者の経済的負担は大きい。
こうした窮状を知った豊瀬議員は、さっそく昨年12月定例議会で、購入費用への支援制度を提案。「前向きに治療に励むためにも療養生活の質の向上を」と訴え、今年4月からの実施にこぎつけた。
豊瀬議員に笑顔で感謝する畑中夫妻。その表情には、断じて病魔に負けないとの強い意志がにじんでいた。