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ガリ版 発明したエジソンからの手紙
「伝承館」で発見、話題に
日本の実業家に宛てた礼状
滋賀・東近江市
ガリ版(謄写版)の歴史を後世に―。滋賀県東近江市にある市立「ガリ版伝承館」で、100年前に発明王トーマス・エジソンが同市出身の実業家・堀井新治郎に宛てた手紙が発見され、話題を呼んでいる。伝承館の充実を後押ししてきた公明党の竹内典子、吉坂豊の両市議は、党東近江支部蒲生地区連合会の党員とともに、このほど同館を訪れ、岡田文伸管理代表と懇談した。
ガリ版伝承館は、日本におけるガリ版普及の功労者・堀井新治郎の明治時代後期に建てられた本家を修復し、1998年4月に開館したもので、ガリ版印刷物やガリ版に関する資料を展示している。
エジソンからの手紙は、堀井がエジソンの75歳の誕生日に送った祝辞に対する礼状。同館の収蔵資料の整理を進める中で最近、見つかったエジソンに関わる書簡、電報など計8点の中の一つであり、世界的に最も著名な発明家との関わりを示す貴重な資料として注目を集めている。
堀井は、1893年に米国で開催されたシカゴ万国博覧会でエジソンが発明し、実用化されたガリ版に出合った。これをきっかけに息子の耕造と協力し、日本の文字に対応できるよう改良を重ね、誰でも簡単に、しかも安価で印刷できるガリ版を国産で初めて製造販売。日本印刷史に革命を起こした。
そのガリ版の歴史を後世にも伝え残そうと活動しているのが岡田管理代表だ。「ガリ版の魅力を通じて地域を盛り上げていけたら」と、2016年には、自身が立ち上げたガリ版普及団体の出資で伝承館隣に来館者の憩いの場「ガリ版ホール」を開設した。
「伝承を担う後継者が必要だ」との思いも強く、市立蒲生西小学校の3年生に毎年、ガリ版体験の課外活動の場を提供。より多くの人にガリ版を知ってもらい、どこでも体験ができるよう、ガリ版で使う用紙や道具などを団体のホームページで紹介・販売する事業にも力を入れている。
4月には、一般社団法人「がもう夢工房」が運営する「がりばん楽校」が伝承館近くに設置され、ガリ版を体験できる場所が拡充された。「ガリ版伝承館」「ガリ版ホール」「がりばん楽校」の三つがほぼ隣接するこの場所は、ガリ版伝承の“一大拠点”となっている。
公明、印刷技術の歴史伝える拠点充実を後押し
岡田さん(中央)と懇談する(左から)村田元市議、吉坂、竹内の両市議ら
公明党は、ガリ版拠点周辺をきれいに保つため、党蒲生地区連合会の党員らがたびたび清掃活動を実施。さらに、同連合会が「ふれあいいきいき絆フェスタ」を16年11月からコロナ禍の2年間を除き、毎年1回開催。浮島智子衆院議員、山本香苗参院議員らが参加し、同館を視察している。
市議会では、17年6月定例会で村田せつ子市議(当時)が、19年6月定例会で竹内市議が、「ガリ版伝承館を観光地として位置付け、発展させるべきだ」と訴えるなど、党が一体となって後押ししてきた。